マイペースと悪意、洒落た音楽(2023/07/06)
定年再雇用者になったオーウェン氏について、彼の直属上司であるクリス・マッコウリー君がネルソン氏の席へ来てぼやき始めた。
マッコウリー君はオーウェン氏に残業をさせないよう、これまで任せていた作業をいくつか引き取ったが、どういうわけかオーウェン氏は定時になっても帰ろうとしないのだという。
これでは単に僕の仕事が増えただけですよ、やることはないはずなのに、一体彼は何をやっているんでしょう? と憤慨する。
それに対してネルソン氏は苦く笑いながら、「どこまでもマイペースな人だねぇ」とやっている。
きっと残業代目当てには違いないが、ことによるとマッコウリー君の意図に気付いていないのかもしれない。全体、オーウェン氏はそういう人物である。
だから仕事を引き取る時の交換条件として残業するなと明言しておかないと、彼はきっと気付かないぜ? と横からコメントしたら、マッコウリー君が「言いました」と言う。
では、仕事を引き受ける代わりに残業しない誓約書を作って捺印させるか、一日の仕事の時間割を作ってその通りにやらせるか、だろうと云っておいた。
※
畜山生太郎(ちくやま・しょうたろう)が営業から他部署へ飛ばされて久しいが、いまだに遠回しな攻撃を仕掛けてくる。
今日もクリス・マッコウリー君をつらまえて、何やら営業部のことを貶していた。こちらに聞こえるように云っているのに相違ない。
どうも彼の中では自分とネルソン氏によって追い出されたことになっているらしい。こちらは解雇されかかっていたのを助けてやったのに、逆恨みもいいところだ。
気分がモヤモヤしていけないから、イヤホンを装着してYouTubeでスタバの音楽を聴きながら仕事をしたら、随分気持ちが穏やかになった。音楽の力はなかなか大したものだと感心した。
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