木曜日の晩に
先週末、飛鳥井じいさんに仕事に行くのが辛いと愚痴ってしまった。
するとじいさんは、ぼそぼそと、独り言のようにこんな話をしてくれた。
オレが会社で働いている頃、やっぱり辛い時があったさ。毎日、鬱々として報われない気分で働いてたな~。
けど、ある時、ふと気がついたさ。
いつの間にか、きっと誰かが見ていてくれる、って自分で自分を慰めてたんだな、これが。
で、なんとなく、こんな思いが神様に昇華したんかいなって。
誰か、なんて頼りないだろ。
誰か、なんて、誰もいないかも知れんじゃ。
誰か、じゃなくて、もうちょい、拠り所になりそうな存在なら、なおさらいいだろ?
で、神様はどこから見てるのか?って思ったら、それは自分の視界の外、1~2メートル後ろ、頭の上斜め45度だな、と。
そしたら、後ろから優しく温かく包み込まれた気がしたんだ。
オレは、あ~、自分の神様を見つけたんだって思ったの。それは守護神かも知れないし、ご先祖様かも知れんがな。
それからは、わりとお気楽に暮らすようになった気がするけんど、神様を常に感じてるわけじゃあない。ただそんときは味方がいるって思えただけだ。
お気楽に暮らすのは、ある意味大事、無理せんことじゃ。わざわざ悩みの種を拾うこたぁないさ。鬱々としてきたら、楽しいこと考えて淡々とやりすごせ。変なこだわり捨てろ。ほんとに大切なものだけ、大切に守って行けば、平和な気持ちでオレみたいなじじいになれるじゃ。だいたい荷物が重すぎることが多いじゃろ。
そして、じいさんはホステス姐さんの所へ行ってしまった。