木曜日の晩に

実は飛鳥井じいさんの家には、美夜古というばあさんも同居している。ばあさんとじいさんはかなり仲が悪い。二人とも顔が似ているから、きょうだいかとも思うが、教えてくれないので実際のところはわからない。

二人はホステス姐さんがいないとすぐに喧嘩を始める。今日も姐さんが買い物に出たとたんに喧嘩を始めた。原因は不明。
姐さんがいない時は、どうなっているのか凄く不思議だが、なぜか一緒に暮らしている。
そしてじいさんは時々、ばあさんのために後片付けなんかをしているのだ。

ばあさんの若い頃はなかなか可愛らしかったらしい。今もそのなごりを留めているが、年老いたせいか、はたまた動きが鈍くなり、太り、太ったせいでますます動きが鈍くなり、よりいっそう太るという悪循環を繰返したせいか、よたよたしている。
ホステス姐さんは、そんなばあさんにしょっちゅうマッサージを施している。そして、ばあさんは女王様かという感じで、ずいぶんと長い間気持ちよさそうに、そして際限なく、マッサージを受けているのであった。