木曜日の晩
明日はやっと金曜日。飛鳥井じいさんに会いに行ける。会いに行ってもじいさんはつれなくて、一緒に暮らしているホステスの姐さんにべたついて、たまに飯なんか食わせてもらって喜んでいる。
けれども、時々さりげなく横にいたりして、一週間分の疲れを癒してくれるのだ。じいさんはわかってくれている。そう思うと、別れた先からまたどうしようもなく会いたくなって、それだけを楽しみに一週間を過ごしている。
ホステス姐さんは迷惑に思っているのか、時々意味深な言葉を投げ掛けてくる。それでも、じいさんに会いたいんだ。
おれはゆでたまごはマヨネーズをつけて食べるのが好きだね、でも、たまごにたまごをつけて食うのはちょっと変な感じするよな、
また、あるときは
日本じゃ、その辺で売ってる卵は無精卵だろう、魚や肉を食べない人達は、無精卵も気にするんかいな、
などと言いながら、
じいさんはゆでたまごにマヨネーズをつけてムシャムシャ食べている。
そして腹が一杯になるとホステス姐さんを横目に他の女性に付きまといに行くのだ。そうでなければさっさと寝に行ってしまう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?