日本昔話の異類婚姻譚成立ハッピーエンド蛇婿(入り)譚3選
日本昔話(≒民話)において、異類婚姻譚は、異類婿/異類女房かかわらず、またその異類の種類に関わらず、『異類と人間の婚姻は破局しがち』だと言われているようです。
そんな中でも少なかれ、異類と人間の婚姻成立ENDを粘り強く(?)語り継いだ人たちというのはチラホラいたもようです。
ここでは、「蛇物語百」でトークノベル化した蛇婿(入)譚のなかで、「異類と人間の婚姻が成立して幕引き」となったお話を紹介してみます。
奄美に伝わるお話。蛇婿は人間になるわけでもなく、山奥の立派な屋敷で人間の娘と幸せに暮らす
↑奄美(琉球文化)の中で語り継がれていたらしいお話です。中国でも見られる単純婚姻型の蛇婿と同じような構造(展開)だとか。
人間に変身して娘と結ばれ、たいそう親孝行したという蛇婿
↑語りにあいまいなところがありますが、最終的に「人間になって娘と結婚した」という着地点が「美女と野獣」「ばら」的、日本の説話で言うと「田螺息子」的なお話。
「蛇息子」からの人間化して婚姻成立型〜「長女の呪い」強調(?)
↑コチラはもう完全に「○○息子」の系統のお話です。最終的に、婚姻を断った長女の滑稽を笑う(?)ようなくだりが強調されているのが、少なくともこの語り手の意識だったのかなぁ、と思います。
(もちろん、ありとあらゆる昔話が「末子成功譚」的な様相を呈しているので、このお話が特別というワケではありませんが…。「ハウルの動く城」(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作)などは、主人公ソフィーがこの呪いを跳ね除ける物語であった…とも読めるわけで、もはや現代において『姉が妹の酌をする』のは世の常ではないのですよね、少なくとも文学の文脈世界においては)
…「蛇物語百」でトークノベル化させることができたのは現在この3つです。他にもいくつか資料はありますので、追って制作したら追記するやもしれません。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?