いい夫婦の日に考える、パートナーとの関わりにおける大切な見直し
11月22日は語呂に合わせた、「いい夫婦の日」として知られている。
4年前のこの「いい夫婦の日」に私と夫と入籍した。
記念日というものが増えていくにつれ、ばらついた箇所にあることでうっかり忘れてしまいそうだなぁ…というシンプルな思いから、見落としづらそうで、分かりやすい日を選んだ。
毎年この日前後で立ち止まってこれまでの歩みを振り返り、そして日々を大切に楽しんでいこうと歩み出している。
そんな先日の11月22日は結婚五年目という節目でもあったので、夫との関わりを通して気付けた大切なことを記しておきたいと思う。
それは、娘を寝かしつけた後、束の間の自由時間が訪れた時のことだった。
気の緩みから会話内に余計な一言が続いた。
その日の仕事と家事を回し、こどもと犬達の世話を終えた20時半過ぎ。私と夫はお互いに対して「疲れたよね」「おつかれさま」と、労う余裕が持てなかった。
「こんなに頑張っているのに…。」と他責思考が私の脳みそを支配しかけ、そんな余裕のない妻を目の前にして疲れが増幅した夫がいた。
口論が続いたことで、夫は話すことを中断し休もうと寝室に戻ろうとしたが、私から夫にもう一声かける。
この一言で、娘を起こしてしまった。
娘は寝ぼけていた状態だったが、だんだんと目が覚めたと同時に事態を察し、「わぁ〜〜!」っと大きな声を出した。(娘なりの方法で事態を鎮めようとしていたのだと思う。)
夫も私もその娘の声を聞いて、冷静になった。
やはり一旦今夜は休んだほうがいいと三人でベッドに入ることにしたが、それからしばらくの間娘は寝付かなかった。小さなその身体は小刻みに震えていた。その震えが私の全身に伝わってきて、ああ…なんて思いをさせてしまったのだろうと情けなく、悲しくなった。
私は「大丈夫だよ、ごめんね…。」と言うことしかできないまま、娘が寝付くまで彼女を抱きしめていた。
この日のことは言うまでもなく、猛省した。
後悔してもしきれない思いだったが、この危機こそ夫婦関係においても親子関係においても見直す機会にもなるのでは…?とも思うようになった。
時として同時に、この時期に、社会福祉学を専門とする竹端寛さんの本に出会った。
ご著書『家族は他人、じゃあどうする?』ではご自身がパートナーと子どもとの関わり合う中で気付いたことや葛藤について、深掘りされている。専門的な知識と見解を混じえながら「ケアの論理」と向き合い続けてらっしゃっている。等身大の思いも書いてくださっているので、私自身とても共感しながら読み進めることができた。
竹端さんはご著書の中で「育ち直し」「捉え直し」という言葉を度々チョイスされている。
それは他者との関わりや共同生活を通して「他者の他者性」を理解していくことで、これまで形成された価値観の捉え方を変容させたり、再構築ができるということなのだ。
これは今でも夫や娘という他者との関わり合いで私がとても大切にしている視点である。
相手にこうあってほしいと願う時こそ、自分を見直す
夫との対立から得た気付きがきっかけで、自分自身に耳を傾けてみること、自身の身体の変化をよく観察することを意識するようになった。
家族という身近な他者に対して、こうあってほしいと願っているということは、そこにはニーズ(求めているもの)が潜んでいる。ニーズが何なのか理解しようとし、知ることで、断然自分のことは自分で対処しやすくなった。
ただ一つ、ここで注意がある。
時に心が自分に対してでも嘘をつくことがあるということを知っておいた方がいい。
心の奥ではストップやエラーが出ていたとしても、「大丈夫、大丈夫。まだやれる。」、「ここで頑張っちゃえば後が楽になるよ。」なんて手前の方から悪魔にささやかれるかのように、無理を強いてくるのだ。
これまで自分に耳を傾けず、がんばりすぎるのがデフォルトとなって、癖づいていればいるほど、心は素直になってくれない。
だけど、案外身体は信頼できると思う。
眠くなったり、肌荒れが起きたり、食欲が減退したり増幅したり、胃腸の調子が崩れたり…と日常のさまざまな瞬間に身体の不調はしっかりとサインを出してくれる。
例え、気持ち的にはまだやれる気がしていても、身体の正直な兆候を見逃さないで。
早めにベッドに入ったり、保湿ケアをしたり、胃腸に負担のない食事を摂ったり、予定を見直してみる。
初めは自分のニーズが身体と心で別々になって表れてくることもあるが、繰り返し自分を観察し、ニーズを理解することでだんだんと心が素直になっていくことで、やかで身体と心も連動しあうことを実感した。
そうして、相手にこうあってほしいと願っていたことは、自分自身のニーズを認めていなかったからなのではないかと考えるようになった。
自分がしあわせでいることが、相手のしあわせになり、環境を変えていくことを信じられるようになったし、夫にはこれまで以上に対話的な方法で自分の考えや気付きを共有したいと思う。
人はいつも一人では生きていけない。だけど、自分がしあわせでない限り、誰かとしあわせになることは難しいのだろう。
♪
愛される為に
愛すのは悲劇
カラカラな心にお恵みを
これは藤井風さんの「満ちてゆく」という楽曲の歌詞の一節で、締めくくりに合わせてぜひ聴いてもらいたいなと思い、添えておく。
みなさんにとって、パートナーとの関わりにおける大切なことはなんですか。