船酔い対策は「寝る」、酔い止め最強は「アネロン」説
父島にて。
東京から片道24時間の船旅を経て、父島でこの原稿を書いている。24時間。思ったより長く感じる。
本当は父島に住む人に「ボニンブルーってどんな色?」を聞いて回ろうと思ってた。
けどそれ以上にマストで聞かなきゃならないことができてしまった。
グルメやお土産情報より、おそらく父島にいる間で最もよく投げかけた質問。
それは「船酔い対策」。
父島に行った人からは「意外と大丈夫」とは聞いていた。
でも新幹線でも酔うほうなので、”念のため”酔い止めを買って乗船した。
これで大丈夫!なんて余裕ぶっこいてた。今思えば24時間の船旅を完全にナメてた。最悪の事態は免れたけど、全然”念のため”にはならなかった。冗談抜きで船旅の3/4くらいは酔っていた。大事なことなのでもう一度。船酔いをナメてはいけない。
午前11時に出航して、もったのはほんの数時間。夕方ごろには1回目の酔いがきた。
とりあえずデッキに出て、風に当たりながら上を向く。気が紛れてそのときはいったん収まるが、数時間するとまた酔う。これの繰り返し。
ごはんを食べてみるが、なかなか食が進まない。時間をかけて胃に流し込み、再び外にでる。
寒い。風が強い。季節外れとは思っていたけどダウンをもってきて正解だった。それでも寒かった。ぶっ飛びそうなくらいの強風。つかまっていないと立ってられない。
何回か繰り返すうちに、外は真っ暗。
寒さをとるか、酔いをとるか。
気休めにしかならないのはわかっていたけど、売店のお姉さんに「今回は揺れているほうですかね」と冗談を装って尋ねる。
「それほどでもないですよ~、今回はこれ以上は揺れないと思います」と心強い一言。
しかしその直後、乗船時に大量にあったはずのエチケット袋が一か所、空になっているのを見てしまった。
また気持ち悪くなってきて、一か八かでさっきの売店に酒を買いに行く。
同じお姉さんにほかの女性客が「今回って揺れているほうですか」と尋ねていた。同じフレーズを聞いた覚えがある。もちろん回答は同じだった。
その後缶ビールを飲み、異なる酔いで気が紛れたのか、どうにか収まった。そして眠りについた。
到着すると宿の人が港に迎えに来てくれた。最初の一言は「酔った? 顔色悪いね?」だった。
すっかり船酔いがトラウマになっていた。そんなわけで、島についてからは「船酔いしない秘訣」を島の人に会うたびに聞いていた。
結果「寝る」が最も多かった。
「食べる」、「お酒を飲む」、「気合い」なんてのもあった。
酔いやすさは千差万別だけど、いちばん多いのが「とにかく寝る」これに尽きるとのことだ。
私は2等寝台(ベッド)だったが、行きの船で隣になった人も、24時間の航海のうち本当に1度しか顔を見なかった。今思えばおとなしく隣の人を見習えばよかったのかもしれない。
なお現地情報によると、今年から「おがさわら丸」の年に1回のドックが1月から5月にずれ込んだらしい。それもあって揺れているのだろうと推察する人が複数いた。真相は定かではない。
ここ1か月くらい、1時間遅れの到着が続いているらしい。(要は揺れるよね~、とのこと)
口をそろえておすすめされた酔い止め薬は「アネロン」。どうやらこれが最強らしい。
グルメよりお土産より、貴重な情報だった。
港前のスーパーには置いてなくて、その斜向かいの生協で手に入った。帰りはこれに賭けようと思う。
minami.n
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