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【fromラボ】キリンの独自素材に毛穴の状態改善効果と皮膚炎症の抑制効果

 化粧品・健康食品メーカーのファンケルは、このほど飲料大手のキリングループの独自素材「熟成ホップエキス」を配合した乳液での連用試験を実施したところ、毛穴の状態を改善する効果と皮膚炎症を抑制する効果があることを確認した。同社は「今回、取得した毛穴に対する機能性の結果を応用し、幅広い製品への(適用を)検討していきたい」としている。

 「熟成ホップエキス」は熟成させたホップを水で成分抽出したもので、キリングループが開発した。ファンケルとキリンは共同研究で、これまで「熟成ホップエキス」が角栓の構成成分の1つであるケラチンを膨潤させることを確認した。また、ファンケルは皮脂の構成成分であるリノール酸に対する酸化を防止する効果があることも確認しており、毛穴状態の改善効果が期待される。そこで、今回は「熟成ホップエキス」を配合した化粧品を使ったヒトでの連用試験を実施し、実使用での毛穴状態の改善効果について確認することにした。

 今回の試験は健常な皮膚を有する17人に5%の「熟成ホップエキス」を配合した乳液と、「熟成ホップエキス」を配合していない乳液(無配合乳液)を半顔ずつ朝晩の2回、4週間連続で使用し、使用前後の皮膚状態を測定した。その結果、「熟成ホップエキス」を配合した乳液を使用した面は使用前後の比較で毛穴体積が縮小したのに対し、無配合乳液の使用面には縮小が見られなかったという(図1)。ファンケルは「熟成ホップエキス」を配合することで毛穴の体積を小さくし、毛穴の目立ちを抑制する効果が期待できるとしている。

 次いで炎症に関連するタンパク質である「好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL)」(【きょうのWord】)の角層中の量を測定した。その結果、「熟成ホップエキス」を配合した乳液の使用面は、無配合乳液使用面に比べてNGAL量の増加が抑制した(図2)。ファンケルは皮膚の炎症を抑制する効果も期待できるとしている。

きょうのWord好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL) Neutrophil Gelatinase-Associated Lipocalinの略。好中球、表皮細胞などから産生されるタンパク質で、細菌感染における自然免疫応答において重要な役割を持つとされる。急性腎不全や尋常性ざ瘡(ニキビ)などに関連して発現量が高くなることが報告されており、炎症との関連が示唆されている。


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