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私のSSの書き方➁【書く順番】

この記事では、pixivで二次SSを書いている私が書き方を紹介します。
他のサービスや個人サイト等とは仕様が異なる可能性があるため、pixivでSSを投稿したいと考えている人、もう投稿しているけど他の人はどんなプロセスで書いているかを知りたい方に読んでいただきたいです。

そんな思いで書いていたら長くなってしまったので分けて書いていきます。
書き終わったら一気読みができるバージョンも投稿しますので、今しばらくお待ちください。


はじめに

今回は、私がSSを書く時の順番について書いていきます。
どんな風に取り掛かればいいか分からない人や、自分はこんなふうに書いてるけど、他の人はどんな風に書いているのか気になる人にオススメの内容になっています。

1.一つセリフを考える

まずは、決め台詞を決めてみよう!

 私の場合、ひとまず決め台詞を考えます。これは、実際に作中で書くことも書かないこともあります。また、地の文にすることもあります。
なぜこれから始めるかと言うと、テーマがブレづらくなるからです。一つの文を軸に書いていくことで、脱線や、何が書きたかったか分からない、というのを防げます。

例として、今回は「Aさん、コーヒー奢ってくれません?」とします。

2.誰に言ってもらうか決める

基本的にはセリフと同時に決めます。これを先にすることもあります。
セリフに違和感が出たら口調や名詞などを変えます。
例えばドラえもんがのび太に言う、と決めたら、
「のび太君、どら焼き奢ってよ~」にする、みたいな感じです。
これで、そのお話の中の主人公が決まります。

3.調べる

ここが一番時間をかける部分です。オリジナル、二次創作問わずやります。

1)人称、口調など

最初に、話し方を調べます。
意外と勘違いしていることもあるので、毎回調べるのがオススメです。
あくまで私の場合ですが、原作では話したことがない二人に会話してもらう時は、同じ年代や立場の人をどう呼ぶか、どう話すかから推測します。
例)年上にはさん付け、ただし2個上まではタメ口
など、人によって違うと思います。
話し方は、原作を参考にします。二次創作だと、勘違いや、一度しか使っていない特殊な呼称が使われている可能性があるからです(特に方言)。

デレステの場合、私はイベントコミュやルームでのセリフなど、見られるものはできるだけ全て見ます。
時期によって呼び方や話し方が変化する場合は、書こうと思っている時期のものだけ見ることもあります(話す内容も変わるため)。
例)【知り合った時】さん付け→【仲良くなってから】ちゃん付け

二次創作の場合は、このように調べる前に書き始めと書き終わりの時期を何となく決めておきます。

オリジナルの場合は、AとBの職業や年齢差を決めておき、(ざっくりでも可)職業によって呼称を決めます。
例)自衛官や軍人であれば、どれだけ仲良くなっても敬語、~中尉などと呼ぶはず、など


2)好きなもの、嫌いなもの

これは、食べ物や本などだけでなく、行動なども含みます。
例えば、ドラえもんの二次創作をするとして、ドラえもんがネズミと仲良くしてたらおかしいですよね。逆に、どら焼きなんて見たくない!と言ってても違和感があります。
こういうのを冒頭に持ってきて違和感でインパクトを強めたり、反対にキャラクターに違和感のある行動をさせづらくできます。

そこから発展して、食事するときにどの店に行きそうか、何を注文しそうか、なども思いつくと思います。

オリジナルの場合には、舞台を決め、そこにどんな料理、店、風習があるか調べてみましょう。
例えばイタリアの場合、食べ物ならピザやパスタが有名です。こちらを好物にしてもいいですし、「トマトが苦手」という設定にして、輸入料理屋しか入らない、みたいにしても面白いかもしれません。


3)表記

テキストがある原作なら、調べましょう。
個人的なエピソードで恐縮ですが、あるキャラクターは本当は「よい」と言っているのに、「良い」とずっと書いていたことに気づいてびっくりしたことがあります。
それ以降はひらがな表記で書くように気を付けています。

このように、意外とひらがな なんかい!カタカナなんかい!ということはあります。こちらは、調べたらキリがないため、ゲームならプレイ、漫画や小説なら普通に楽しんで読みましょう。
あれ?ってなることがあると思います。自分が普段書いている表記と違うとへー、この子はこの言葉はこういう書き方なんだな、と発見できます。

オリジナルの場合は、作品内で表記を統一できるように時代や国に合わせて調べましょう。大正時代や明治時代であればそのあたりの年代の作家の本を読む、イギリスが舞台ならサッカーのことは フットボールと呼んだ方が自然(サッカーはアメリカ英語)、などの違いを調べる、などやってみましょう。

4.流れを決める

決め台詞から連想してみよう

キャラクターのことをある程度把握出来たら、決め台詞までの流れをざっくり決めます。
私の場合、上の画像の黄色い付箋の部分を考える感じです。

1)Bはなぜ言った?

つまり、そこに至るまでの過程です。そこまできちんと決めません。
大体後で矛盾に気づくので、書きながら細かい部分は決めていくのがオススメです。

ただ、直前部分は細かく決めておきます。そこに向けて、物語を進めるイメージですね。

2)Aはなんて答える?

つまり、決め台詞の後です。ここはしっかり決めますが、変わりがちです(笑)
応える?も考えます。今回のセリフなら、コーヒーを奢るのか?嫌々奢るのか?銘柄はどちらが決めるのか?などなど。

ここは、セリフより前の部分を書いていくうちに微妙に変わることがあります。思いつかない!という場合は、好意的に受け止めるか否か、くらいで大丈夫です。

3)どこで言うの?

場所を設定していきます。
今回のセリフなら、自販機の前、カフェの席、スーパー、などなどいろんな場所が浮かびますね。そこから、AとBが行きそうな場所をチョイスしたり、原作中に登場する場所にしたりします。

さらに、その場所を特別な場所にするか?も決めます。
例えば、初めて一緒にコーヒーを飲んだ場所、とかにするかを決めます。二次創作なら、原作を破壊しない程度にしましょう。本当はAとCの思い出の場所なのにAとBの思い出の場所にする、とかはNGです。

4)コーヒーなのはなぜ?

場所のとこでちらっと書きましたが、特別なものにするか決めます。
AかBの好物なら特別じゃなくても違和感ないですし、そもそも原作でキーアイテムとかなら説明不要なので決め台詞までコーヒーについての描写は薄目でいいな、とかが決まります。

逆に、そういう設定ではない場合、決め台詞までにうまく読み手を納得させないといけません。そこまでに何度か一緒にコーヒーを飲む描写を入れる、など、キーアイテム感をしっかり出します。

5)他の人はいる?

その場に他の人はいるかを考えます。
これは、二人の会話になるか、それとも他の人も参加するか、ということです。
Aが上司なら他の人も便乗して奢ってもらう流れになるかもしれません。
二人だけの状況なら、AとBの描写に集中できます。

また、Aの反応によっては、周りの人を使って表現することもできます。
例えばAが激怒して怒鳴って、周りの人が振り返る、Aにとってコーヒーは亡くなった恋人や仲間との思い出の品で、周りの人がBをたしなめる、など。

6)どんなコーヒー?

Aにとって、Bにとって、二人にとって、どんなものか決めます。
Aにとってはただの好物だけど、Bにとっては背伸びしないと飲めないもの、二人にとって、BのAへの憧れを象徴するもの、とかですね。

もちろん、ホットかアイスか、ブラック、微糖、なども決めます。季節や味覚、猫舌かどうか、なども考えます。

いろいろと連想してみましょう。

6)AとBの関係は?

ここで決めるのは、冒頭、決め台詞、終わり時点の関係&印象です。
例)【B→A】軽蔑→憧れ→親愛 【A→B】困惑→信頼→敬愛
【関係】新人と教育係→同じプロジェクトのメンバー→係長と課長
今回はサラリーマン二人を想定しましたが、他にもいろいろできると思います。

3点の印象や関係を決めておくことで、いきなり登場人物の心情が変化するのではなく、グラデーション状に変化させることが出来ます。

7)どんな風に言う?

冗談っぽく言うのか、真剣に言うのか、など決めていきます。
前述の印象を表現したり、バックボーンを描いたりできます。
この時、人物がどんな風に感情を表現するか想像します。
同じ恥ずかしい、でも、耳を触る、顔が赤くなる、肩をすくめる、などいろいろな表現があります。映像で思い浮かべるのがおすすめです。

5.タイトルを決める

7.の書く、と前後することもありますが、割とタイトルを先に決めることが多いです。ここは好みだと思いますので、後決めでも全く問題ありません。
タイトルは、大体4パターンくらいあります。

1)楽曲や書名、映画のタイトル、歌詞などのパロディ

パロディ、を太字にしたいくらい大事ですが、パロディです。
そのまま使うのはアウトです。
なぜ他のものから持ってくるかと言うと、リズムがいいものが多いからです。
ある程度有名になるものって、口コミしやすい、声に出しやすい響き、というのも必要になると思います。その語感を拝借してつけます。
例えば、直近に書いた「末永く、あなたと」は、「初夢をあなたと」という楽曲をもじったものです。
こんな感じで、好きな楽曲名などをすこしもじってみましょう。
作品のテイストにもよりますが、モンスターハンターシリーズやゴッドイーターシリーズのクエスト名がすごくおしゃれなのでオススメです。
カッコ良すぎてなかなかもじれませんが(笑)

2)~、〇〇。

なんかエモくなるので良く使います。
最後の丸(読点)はなくてもいいかなと思います。
点(句点)があることで一回リズムが切れるので、アクセントになり、ちょっと余韻が残るタイトルになります。上で挙げた「末永く、あなたと」も同じパターンですね。

3)助詞止め

厳密に言うと接続助詞で止めます。
最近だと、「無垢な恋が実ったら」「絡まる小指を捕まえて」というタイトルを付けました。
このように、実ったらどうするの!?捕まえてどうするの!?と、ちょっと気になるタイトルになります。
本来は、「無垢な恋が実ったら~する」みたいにある後半部分がないことで、興味を引きやすくなります。

4)倒置

倒置というのは、文の一部の順序を入れ替えることです。
何度も恐縮ですが、「末永く、あなたと」はこのパターンです。
正しくは、「あなたと、末永く」ですが、あえて入れ替えます。
日本語のタイトルなら深く考えず入れ替えていいのですが、英語や中国語など、語順に意味がある場合もあるので、日本語以外のタイトルを付けるときは倒置を行わない方が無難です。

6.キャプションを書く、タグ付け、表紙づくり

これも本文を書いてからやるときもありますが、基本的に先にするようにしています。
というのも、本文を書いてると迷子になるときがあるからです。
キャプションには簡単なあらすじを書くので、あっ、そういやこんな話書こうとしてたわ、と思い出すことができます。

また、タグはつけられる数が決まっているので、要素がとっちらからずに済みます。

キャプション、タグについてはこちらの記事でも紹介していますので、よろしければご覧ください。

私のSSの書き方①【pixiv投稿で気を付けること】|千り9P|note

pixivの小説では、デフォルトで表紙画像の素材があり、タイトルを入れることができます。私は基本これしか使いませんが、作品の雰囲気を決めるために先に表紙を作ります。
2022/1/5現在、表紙の設定は下書き保存できないので、あくまで仮のものになりますが、どの素材を使うか、タイトルは何色にするか、が決まると、それに合わせてお話を書けるので、先に決めておくのがオススメです。

7.書く

書きます。ここまでの流れ、私は一切メモをとりません。
その都度調べますし、一度決めた流れも違和感があったら変えます。
自分がガンコなのが分かっているので、いわゆる正解を作らないようにしています(笑)

量ですが、pixivでは多くても3万字くらいにするのがおすすめです。
pixivでは読む前に文字数が分かります。
あまりにも多すぎると、圧倒されて読まれない可能性があるため、3万字を目安に前後編に分けたりしましょう。

いろんな書き方がありますが、私は頭からお尻まで順番に書きます。ゆるっとしか決めずに書くため、その方が矛盾が出来づらくなります。
他にも、思いついた場面から書く、という書きかたをしている方もいます。
こちらはモチベーションが続きやすく、比較的短い話や短編集を書くときにおすすめです。

書くときは、
①登場人物の心情はグラデーションで描く
➁漢字、ひらがな、カタカナの割合
➂地の文の言葉遣い
④書きすぎない
の4点に気を付けて書いています。

1)登場人物の心情はグラデーションで描く

演出の場合や、登場人物が極端に幼い場合を除き、心情はグラデ状に変化していきます。

上の図は、『プルチックの感情の輪』というものです。中心に行けば行くほど、強い感情になっていきます。
特に、不安や苛立ちなど、ネガティブな感情の方がイメージしやすいと思います。
嫌なことが連続で起こったりすると、不安やイライラが大きくなっていきますよね。逆に、楽しいことが増えてくると、イライラや不安は軽くなっていきます。

物語文で基本とされているのは、「原因」と「目的」と「行動」のセットです。
「お腹が空いた(原因)」から「空腹を解消するため(目的)」、「おにぎりを食べる(行動)」のように、登場人物の行動には意味がないと、共感や理解を得られなくなります。
感情も同じで、個人的に感情はどこにでも入りうると思っています。
「腹が立ったから殴った」「楽しむためにイベントに参加した」「殴られたから恐怖を感じた」
このように、感情は非常に使い勝手が良いです。その分、上の図で対極にある感情を短期間で繰り返したりすると違和感が出ます。
悲嘆に暮れていた人が突然歓喜に満ち溢れて飛び跳ねだしたりしたら読者がついていけません。
特別な場合を除き、感情はゆっくり変化させていきましょう。

2)漢字、ひらがな、カタカナの割合, 3)地の文の言葉遣い

私は、登場人物によって変えています。また、パロディで時代や場所が違う場合も変えます。

理由は、上の図のように、地の文の雰囲気とセリフの雰囲気が違いすぎると違和感があるからです。
登場人物の口調はある程度年齢や性格などで決まるので、地の文の漢字の量や言葉の難解さを調整します。
子供がたくさん登場するほのぼのした話なら漢字を少なくしたり、シリアスな話なら難解な言葉の量を少し増やしてみるなど、地の文でしっかりと物語の雰囲気を作っていきましょう。

4)書きすぎない

再び感情の話になりますが、感情は直接書けば書くほどダサくなります。
しかし、感情の描写がないと共感を生めず、それはそれでつまらないものになります。

じゃあ、どうするの?
というと、私は行動で描くようにしています。
ここで、情景描写、というワードが浮かんだ方は恐らく小説が大好きな方だと思います。
しかし、pixivの読み手は熟読派がかなり少ないのが現状です。
周りの景色や様子だけでは、登場人物の心情を推測してはくれません。
そこで、行動で描くことをおすすめしています。
恥ずかしければ頬を染める、掻く、服を触る、など、行動であれば共感され(感情を推測し)やすく、また直接は書いていないのでダサくもありません。

こういう感情になったら、どんな行動をするのかな?と考えてみましょう。オリジナルの場合、あらかじめ癖として決めておくのもオススメです。

8.推敲

書き終わったら、一度読者の気持ちになって読み直します。
個人的に推敲はすごく効果があり、ヤケになって推敲なしで投稿したものより、しっかり推敲したものの方がたくさんの人に読んでいただけています。

チェック項目は、以下の5点です。
①誤字脱字
➁登場人物の心情
➂登場人物の体
④漢字の量、難解な言葉の量
⑤ラストの気持ちよさ

1)誤字脱字

クライマックスのシーンでやらかしがちなので特に気を付けましょう。
漢字は、不安ならひらがな表記にするのもアリだと思います。
特に登場人物の名前を間違えると悲惨なので、分かってる!と思ってても一応確認しましょう。

2)登場人物の心情

読者視点に立って、意味の分からない感情の変化をしていないか確認します。
私は数日に分けて書くことが多いので、たまに感情が飛ぶことがあります。
数行前までは悲しんでたのに、急に喜んでたり…。
書き手目線だと、納得のいく変化でも、読者からするとなんで?ってこともあるので、一回書いた内容は忘れて、読者として読んでみましょう。

3)登場人物の体

特に大人向けを書くときにやらかすのですが、腕が三本ある、とか右手がワープしてる、とかがないか確認します。
戦闘シーンなんかでも敵を切りつけたのにもう一回切ってたり(切り上げるのが正解)とかがあると思うので、違和感がないか、頭の中で映像にしながら確認してみましょう。

4)漢字の量、難解な言葉の量

あまりにも多すぎたり少なすぎると読みにくいものです。
気持ち良く読めるか、確認しましょう。
自分が読んでてすぐ理解できない場合は、私は別の言葉で書き換えたりしています。

5)ラストの気持ちよさ

私は、オチに全てを懸けていると言っても過言ではないくらいラスト一行に力を入れています。
ここの気持ち良さは、完全主観ですが、気持ち良く読み終われなかったらオチだけ何回も書き直します。
もちろん冒頭も読者をひきつけるのに大事ですが、読後感を決めるのはオチだと思っています。
感想を書いて頂いたり、他の作品も読もうかな、と思っていただくためにも、オチがいい感じか、絶対にチェックします。

終わりに

以上、8つの工程を経て小説が完成します。
慣れてくればスピーディーにできるようになるため、みなさんも自分のスタイルを見つけて、たくさん経験を積んでみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

気になった点や取り上げてほしいことなどなど、ありましたらコメント欄にお気軽にお越しください。

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