三分小説 007 「1年は10秒で過ぎる」
「僕は、これまでの人生と決別する」
桜舞い散る中、ビラを片手に、僕は部屋に入った。
明るく振る舞う者、とにかく自分自慢をする者、媚びへつらう者。
猛者たちが集いし場所。
それが、『テニスサークル』。
彼女いない歴=年齢から脱却し、大人の男になる。
もちろん、算段はある。
それは、運動神経。
バスケ部を6年間(補欠)。
小学校4年でリレー選手。
こんなもやしっこ達に、負けることはない。
見える、見えるぞ。
すぐにテニスがうまくなって、
黄色い声援を浴びる僕の姿が。
「ようこそ、