センノベ愛田(もしも恋愛経験も小説執筆も乏しい男が1000作の恋愛小説を書いたら?)

だいたい3分で読める物語 #三分間小説 をほぼ毎日投稿。 小説を書きたい思いから1000作を目標に動いてみたら、何かつかめるはずと始めた企画です。読むに耐え難い内容や薄いセリフが出てくるかもしれません。それでも1000作品の中で心に響くものを書きあげるのでフォローお願いします。

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三分小説 008 「最後の初恋」

「ごめん、スイパラ行けないや」 「え、萌がこないと始まらないよ」 平謝りしながら、私は部室から飛び出した。 「ただいま、お母さん、聞いて聞いて」 「作戦、うまくいったみたいね」 「え!なんでわかるの?」 「顔に書いてあるわよ」 「え、どこどこ?」 私は初めて恋というものをした。 バスケ部のキャプテン。背が高くて、優しい人。 「で、佐野先輩と何を話ししたの」 私は図書館での出来事を話し始めた。 「先輩、この英文の訳し方を教えてほしんですけど」 「おお吉澤。いいけど」 「本当

    • 三分小説 007 「1年は10秒で過ぎる」

      「僕は、これまでの人生と決別する」 桜舞い散る中、ビラを片手に、僕は部屋に入った。 明るく振る舞う者、とにかく自分自慢をする者、媚びへつらう者。 猛者たちが集いし場所。 それが、『テニスサークル』。 彼女いない歴=年齢から脱却し、大人の男になる。 もちろん、算段はある。 それは、運動神経。 バスケ部を6年間(補欠)。 小学校4年でリレー選手。 こんなもやしっこ達に、負けることはない。 見える、見えるぞ。 すぐにテニスがうまくなって、 黄色い声援を浴びる僕の姿が。 「ようこそ、

      • 三分小説 006「インスタントラブ」

        「へー、趣味はお菓子作りなんですね」 「え、僕ですか、なんだろうな」 「気の知れた仲間とチェアリングかな」 「ああ、いいですよ、今度行きましょう」 「来週ですか、ああごめんなさい」 「その日は仕事が入っていて、」 「他の人じゃないですよ、本当に仕事なんですよ」 「翌週の土曜日はどうですか?」 「よかった、じゃあ渋谷駅に迎えに行きますよ」 「はい、また連絡しますね」 「ふー」 俺は冷めきったコーヒーを口にした。 今ので3人目か。 「しかし、今の子は相当かわいかった。当たりだな

        • 三分間小説005『からあげヒーロー』

          「ひろしくん、その唐揚げおいしそうだね」 「なんだよ。やんねーぞ、たくや」 「お願い、ひとつでいいから」 「しょうがねーな」 「おいひー」 平然と聞き流しているように見せかけていた私は、放課後にひろしくんを呼び出した。 「なんだよ、こんな時間に」 「お願いします、私に料理を教えてください」 「はぁ」 「お願いします」 「理由がなきゃ教えねーよ」 「お、お母さんが、唐揚げ好きなんです」 「え、そんなん…」 「おいしい唐揚げを作らないとお母さんの命が……」 「なんかめんどそうだ

          放課後の帰宅部

          駅に着いたときに、スマホがないことに気がついた。 「チッ、机の中に入れっぱなしだ…」 俺は、学校へ戻った。 中学からずっと帰宅部だったから、放課後に来るのははじめかもしれない。 「ヘーイパス」「行ったぞ」「ナイッシュ」 「必死に汗を流して何になるんだろう」と汗を流すサッカー部を横目に教室に向かった。 「うぅうぅ、、、」 教室に入ると一人の女の子がうつむいてた。 それが、みゆきだ。 夕日を浴びる彼女に、心がソワソワした。 「あ、田中くん、どうしよう」 俺に気づいて話しかけてきた

          理由なき好き

          「そうだなー、眼鏡の人が好きかなぁ」 「頭良さそうな人が好きなんだ」 「ゼリーズの酒田が、こないだドラマで眼鏡してて、ちょーかっこよかった」 「ギャップあるよねー」 私の一言でみんなが盛り上がった。 続けて、私の言った言葉にみんなが固まった。 「朝の番組の司会の山口さんもいいと思うよ」 「はっ?」 「あの、おじいさんの?」 「あははは」 「由美っておじさん好きなの?ヤバっ」 「あははは」 「いや、そういうわけじゃ…」 「いろんな人をまとめるところ?」 「気にしたことないよ」

          勝負服の仕立て屋

          「お前に頼んで本当によかったよ、この服のおかげで、彼女とまたデートできることになったからさ。また頼むよ」 「ああ、それはよかった」 「次は、もうすこし派手なのがいいな。彼女は花が好きらしいからさ」 「わかったよ」 「よろしくっ」  男性が入れ替わりで、ひとりの女性が入ってきた。 「あのー、ここが勝負服をつくってくれるお店ですか?」 「ああ、そういう人もいますけど」  深呼吸した女性から重い声で 「SoftRankの社長を落とす服がほしいんです」 「え、あの携帯電話のですか?」