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『豊かな人生』その2

⭐️ 秘訣2: “変化”を受け入れるとき、人生は再び流れ出す

停滞感や不調を抱えるとき、人は「どうにもならない」と思いがち。でも著者は、「生命は常に流れている」という事実をまず思い出すよう促す。変化を拒むと、体や心がぎゅっと固まり、結果的に痛みや病気、抑うつにつながる。逆に、わずかでも“動き”を取り戻せば、そこからエネルギーがめぐり始める。

80歳のテレサは深刻な便秘=腸閉塞に悩んでいたが、原因は実は“身近な人を立て続けに失った悲しみ”を抑え込んだことにあった。思い切り泣いて感情を流した途端、体の不調が自然に解消。悲嘆の“流れ”をせき止めると、体まで固まってしまう例として印象的。

幼い子どもを抱え、家事もままならず、ソファでうずくまっていた若い母親マリア。彼女が救われたきっかけは「動こうとする意志」。雑誌をめくる腕を少し大きく動かす、子どもとふざけてみる……些細な動作がエネルギーの循環を呼び戻し、結果的に抑うつ状態から抜け出した。

リウマチを患うスージーは、出産時の激痛を“体を動かしながら”受け止めることで乗り越えた。痛みを排除するのではなく、一緒に踊るように“流す”ことで新しい命を迎え入れる奇跡を体験。苦痛もエネルギーの一部として捉え、動きを止めない姿が象徴的。

恥ずかしさや後悔を抱え込むと、そこに意識が固着し身動きがとれなくなる。たとえ舞台で転んだり、誰かにきつく言い返してしまっても、「笑い」に変換するなどして“流せば”OKだと著者は説く。

エイズ患者の子どもたちを支援しようとしたが、地域の差別と偏見に阻まれ、家まで焼かれてしまったエリザベス。悲しみを抱きつつ環境を変える決断をし、最終的には新天地で理想のコミュニティを築く道を見出した。必要なときに“そこを離れる”勇気もまた、“生命の流れ”を保つうえで欠かせない。

大切なのは“わずかな動き”を信じること。

人間の体は呼吸・循環・消化など常に動き続けている。心も同じで、本来は流れているもの。悲しみなら泣く、後悔なら「もういい」と手放す――そうして感情を“動かして”いくと、大きな停滞は自然と崩れ始める。どうしても動けないと感じるなら、ほんの少し体を揺らす・呼吸を深くする・笑いに変えるといった小さな行動が突破口になるというわけだ。ポイントは「停滞は幻想。生命は常に動いている」と理解し、変化を許す勇気を持つこと。

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