見出し画像

[くま日誌] 749号 認知ゲージ管理のススメ──疲れているのは考えすぎか、考えなさすぎか

小学生の頃、ゲーセンでスト2をやっていました。友達と肩をぶつけ合いながら、波動拳を撃ち、昇龍拳を決め、負けると台を叩いて悔しがる。そんな日々でした。そのうちスーパーファミコンでもスト2をやるようになり、学校帰りに友人の家でひたすら対戦していました。技をくらうたびに体力ゲージが減っていき、ゼロになったらKO負け。当たり前のルールです。

でも、これって仕事でも同じことが言えますよね。

仕事では「認知ゲージ」がゼロになると、まともに思考できなくなります。これはいわゆる「認知疲労」や「意思決定疲れ」と言われるものです。たとえば、夕方になると「もう何でもいい」と思ってしまったり、昼ご飯のメニューを決めるのが面倒になったり、「どうでもいいや」と判断を放棄してしまう。これらはすべて、認知ゲージが尽きかけているサインなのだと思います。

スト2でも、使う技によってゲージの減り方が違いましたよね。仕事でも、タスクによって脳の消耗度が変わります。新しい事業戦略を考えたり、複雑な分析をしたりするのは、まさに「超必殺技」クラスの消耗です。一気にゲージを持っていかれます。一方で、ルーティンワークやメールの返信は「弱攻撃」程度の消耗で済みます。無駄な会議は「ガード」です。直接的なダメージはないように思えても、確実にジワジワと削られていきます。

この「認知ゲージ」をゲーム感覚で管理することができれば、もっと効率よく働けるのではないでしょうか。朝起きたときはゲージが100。難しい仕事をすればするほどゲージは減り、適切な「回復手段」を取れば一定量回復する。たとえば、15分間の休憩で20回復、散歩やストレッチをすれば30回復、昼寝をすれば40回復、栄養補給で10〜20回復。こう考えると、仕事中に甘いものを欲しくなる理由も明白ですよね。認知ゲージがゼロになりかけているから、脳が糖分という「回復アイテム」を求めているわけです。

結局、「疲れた」「もう何も考えたくない」となるのは、ゲージ管理が下手だからなのだと思います。朝から会議を詰め込みすぎたり、昼食を抜いたり、無駄な作業に時間を取られたり。そうして気づけば「もう何も考えたくない」という状態になり、判断力が鈍っていく。ここでポジティブになろうとしても無理があります。そもそもゲージがゼロになった状態で、前向きになれるはずがありませんし、何も考えられない状態で「よし、やるぞ!」なんて思えるわけがありません。

ポジティブであるかどうか以前に、まずはゲージ管理をするべきなのです。

スト2のゲージ管理がうまい人は強かった。仕事も同じで、いかに脳のゲージをうまく管理するかが、長期戦を勝ち抜くカギになります。皆さんの今日の認知ゲージは、あと何ポイント残っているでしょうか?

いいなと思ったら応援しよう!