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磯部温泉 恵みの湯の塩砂風呂体験

1月は仕事が忙しくてイーッとなっていたため、落ち着いたらそんなに遠くなくて、人がいなくてぼんやりできるところに行きたいと言う理由で何となく目星をつけていた磯部温泉へ行ってきた。
なかなか失礼な検索条件で申し訳ない気持ちにもなるがとても良かった。良かったと言うのは私の今の気持ちにとてもマッチしたと言う意味です。

レトロかわいい、みたいなのがある。
純喫茶とかそういう。
観光ホテルは甲斐みのりのテリトリーで本が出てるけど、それも広くくくるとそういったレトロかわいさみたいなところの文脈だと思う。わたしもその類のテイストがとても好きだけど、おなじく好きな人が多いので、どうしても人が集まってしまう。

磯部温泉にあるのは、コーティングされていない剥き出しな古さで、鄙びたと言うにはまだ時間の経過の生々しさがある絶妙なラインに見え、そういう場所だったのがとても良かった。

リラックスするのに、その場がどんだけゴージャスでホスピタリティに溢れていて、機能的であっても(そんなとこほぼいかないんだけど)私の場合どうしても人が多いだけで全てが差っ引きでい!となってしまう。
そういう意味では人がいないところはとても良い場所。


磯部の日帰り温泉施設に恵みの湯と言う公衆浴場があり、そこには珍しい塩砂風呂があると言うので入ってみた。
予約が必要。時間の10分前に行って、簡単な質問用紙に答える時間があった。口頭でも日焼け止めを塗っているか、満腹ではないかを聞かれた。
すでに宿の温泉に入った後ですっぴんだったし、ご飯を最後に食べてから3時間経って空腹のベストコンディションだった。
砂場へ移動する前に熊笹茶を大きなマグで1杯飲むよう言われる。

いざ塩砂湯へ
素肌に浴衣を帯なしで合わせただけで、担当の人がほってくれたくぼみに横になる。私以外にはその時間人がいなかった。
細かく重さの確認や様子を窺われながら砂をかけてもらう。下半身はしっかり目、上半身は薄めだった気がする。
「手足は自由に動かせますからね」「末端が脈打った感じになりますが、皆さんなりますよ大丈夫」と細かく細かく説明してくれる。10分ぐらいが目安だが、その前に出ても良いことなど声をかけられながら蒸され始める。
砂は本当にほかほかして、私は何なら横になって砂をかけられている段階でもう汗が出ていた。

重めのブランケットや布団が良いと言う話があるけど、確かにこの圧って気持ちいいとか、青山正明の毒抜きのこととかを思い出しながら蒸される。お腹が特に気持ちよい。
5分経つと顔に優しく霧吹きをかけられ、冷たいタオルで顔やリンパのあたりを冷やしてくれる。おいしく蒸しあげられる赤飯の気分。
その時点で汗がたくさん出ているが、汗の本番はこの後なので上がった後大変かもしれませんといわれる。
どうなっちゃうの〜〜とワクワクしながらもう5分蒸され、また丁寧に顔を冷やされる。
サウナほど辛くはなく圧がほんとうに気持ちいい。
10分の顔冷やしタイムから2,3分経ったところで上がることにした。

砂をざらりと払った後、シャワーを浴びる。この時冷水ではなく温水にしてくださいね、冷水浴びるなら末端だけで、ととにかく冷やさないように言われる。
新しい浴衣に着替えてゆるく帯をしめて、休憩スペースに移動すると、フットレスト付きのふっかふかのリクライニングチェアの上に大判のタオルで可動域の残ったミイラみたいに巻かれ、そこにさらにバスタオルをかけられる。
糖分補給に磯部煎餅(炭酸せんべい)と塩分補給に無添加らしい梅干し、そして人肌の風耳茶を出され
これらを食べて残り1時間半程度の利用時間内でお茶をとにかく飲んでくださいと指示が出る。
お茶はその風耳茶はメインお茶としてこの後継続的に出るが、それとは別に熱い薬膳茶が3種出るのでそれも飲んでくださいとのこと。

そらあんた適温の部屋でタオルに巻かれてあっちいお茶出されたら汗引かないよねえと思いながらぼんやりする。
ぼんやりするのだが、いわゆるサウナのととのい、、というかサウナトランス(と、この先は言いたいかもしれない。合法でああ言う目にあいたいと表明するのが誠実な気がしてきている)みたいなドバッと脳汁が出る感じとは違う、じんわりとした多幸感があることに気づく。
で、発汗は後からですの意味もここにきてようやくわかる。流石に暑くて腕は巻かれたタオルの中から剥き出して外に出しているのに、サウナの中にいる時のように玉の汗がどんどん出続ける。どんな理屈なのか。

非常にポカポカしているため眠ることはできないし、汗はかき続けるからタオルで拭き続けなくてはいけないし、わんこそばみたいにお茶を注がれ続けるのでそれも飲まなくてはいけないんだけど、(実際これ飲まないと干からびる気がするというぐらいの継続した発汗量)不思議と不快感は全くなく、なんかずっとアルカイックスマイルが浮かぶくらいの心持ちでいた。
それは何らかの脳汁の作用と、砂をかけてもらってから出るまでの、施設の皆さんからきちんと見守られてケアされているなーという安心感からというのもある。
あと行ったことないけど多分高級スパとかこんな感じなんじゃないか?とも思った。お茶飲んでなんかのんびりしてるよねイメージ。

先に上がっていた人は施設の漫画やスマホを見ていたけど、不思議とそういうのも欲しくならなかった。普段私は割とスマホないとソワソワするタイプなのに。

で残り時間そんな感じでお茶飲みタオルミイラで過ごした。圧のおかげでかなり足のむくみがすっきりして足取りが軽くなったし、肌もサラサラになった。気がする。

都内から磯部への在来線往復金額と笹塚の塩砂風呂のコースの金額は1000円ちょいぐらい磯部の方が高いっぽい?塩砂風呂自体をかなり気にいったので笹塚も行きたいとは思うのだけど、逃避行気分も悪くないので恵みの湯もちょいちょい行ってしまうかもしれないなと思いました。また次行くときはスタンプカードつくろう。

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