より安全なDeFiを届けるプロトコルBlue
※この記事は2023年の4/23に執筆したものです。
こんにちは!Gussnです!
本日は今年の1月から注目していたBlueというDeFiプロトコルについての紹介記事を書いていきます。個人的にこのプロジェクトはシンプルな発明にも関わらずマスアダプションを考えて行った時に必ず必要な仕組みだと思っており、結構注目しています。
筆者の中ではDeFiの発明といったらUniswapがダントツだったのですが、Blueも新たな発明と捉えています。是非読んだ感想をいただけると嬉しいです。今回は結構短めです。
Blueとはどんなプロトコルか
BlueはKYC(Know Your Customer:身元確認、本人確認)やAML(Anti-Money Laundering)を搭載したトレーダー向けのDeFiプロトコルです。
KYCを通したウォレット間のみで取引可能なトークンを発行することでDeFiにおけるマネロン対策を講じています。
Blueは今年1月ごろに、Blockchange VenturesとFenbushi Capitalを共同のリードとしてDoraHacks、Knollwood Investment Advisory、Gate.io、Wave Financialなどが参加して合計$3.3Mを調達しています。
この資金調達を経てセキュリティ監査、チームの拡大を行う予定だそうです。ETHDenverでファイナリストになって以来、BinanceやChainlink、New Orderのアクセラレータープログラムに参加しています。
FTXの破綻やそれによる連鎖的な崩壊を受けたことを背景に注目が集まり、多くの取引所も注目しているのがこのプロジェクトの面白さにあります。
Blueの仕組み
これまでの通り、BlueはDeFiの取引においてKYC/AMLといった取引の安全性を高めるようなプロトコルを提供しようとしています。具体的には、彼らはウォレットに対してBlueIDとばれるKYCを行うことで発行されるオンチェーンクレデンシャルを発行します。発行したクレデンシャルを保有してるウォレットはBlueが発行するERC20をラップしたSafeトークンを取り扱うようになれます。
BlueIDについて
BlueIDは、Safeトークンを取引中にKYC/AMLを検証するために発行されるユーザーのクレデンシャルです。オンチェーンクレデンシャルを標準化することでKYCを繰り返すような煩雑なフローをなくすことができるようになり、KYCの機構にはPersonaのようなクレデンシャルを発行する別事業者を採用しています。
オンチェーンクレデンシャルについて
オンチェーンクレデンシャルは、KYC/AMLを行ったことに対する証明としてブロックチェーン上に保存されます。この保存される情報の粒度がどの程度なのかは気になりますが、個人情報を特定できる情報は開示せず、訴訟を起こす場合、クレデンシャルの発行者に対して開示請求をすることになります。
Blueでは
KYC
KYB(Know Your Business: 法人確認)
AML
Jurisdiction(法的区域の管轄)
Accredited Investor(適格投資家)
などのさまざまな種類のクレデンシャルをサポートしており、これらのクレデンシャルはNFT/SBTなどでも表現が可能とのことです。coming soonにはなっていますが、クレジットスコアへの対応も進めており、DeFi領域で無担保ローンの促進も進めています。
Safeトークンについて
SafeトークンはERC20をベースにしたトークンに対して発行され、KYC/AMLの措置を行ったユーザーがやり取りをすることができるトークンになります。このトークンのコントラクト事態にKYC/AMLは取引の都度、ウォレットをチェックする機構が設けられているため、DeFiプロトコル側に技術的対応を課す必要はありません。
トランザクションを実行する前に取引相手のウォレットを確認し、対応するクレデンシャルを保有しているのかをチェック、認められ次第トランザクションが実行されるという流れになります。
初期段階では、SafeトークンはETH, wBTC, USDC, USDT, DAIの5種類をサポートする予定だそうです。
Blueの使い方
Launch poolやapp.blue.fiは、ドキュメントやLPでは登場していますが、まだ正式リリースしておらず、現時点ではプール作成のリクエストが行える状態です。
①BlueIDを発行する¥
BlueIDを発行するにあたって
個人 or 法人
米国ベース or 非米国ベース
米国ベースの場合、機関投資家 or 非機関投資家
という項目を設定する必要があります。認定されていない米国個人投資家あるいは非米国ベースであれば、オンチェーンクレデンシャルの発行母体であるPersonaを通してIDの発行が行われます。法人あるいは米国認定の個人は、パスポートをもとにオンチェーンクレデンシャルを発行します。
この辺りの米国・非米国の棲み分けは、彼らがアメリカを拠点にしていることや、SECとどのように関係構築をするかの戦略を踏まえてのことな気がしています。
https://www.blue.fi/blog/719b20c6fce447a9aa61d581b74d2368
②Wrapトークンを発行する
取引されるSafeトークンはラップしたものなので、1:1対応で交換できるようになります。ラップにあたり手数料などはありません。
https://docs.blue.fi/how-to-trade/2-wrap-tokens
③トレードを行う
先述の通り、トークン自体にBlueIDのチェック機構が組み込まれているためDeFiプロトコルへの技術的対応は必要なく、基本的に取引所は問われません。(もちろん上場している所のみです)
まとめ
Blueはウォレットに対してクレデンシャルを持たせ、トークンに対応するクレデンシャルの対象者かを確認する機構を持たせるというとてもシンプルなプロトコルになります。
最近、Wrapトークンの可能性や今回のBlueのトークンを721や1155に対しても実装することでRWAの取引やIP取引の可能性を高めるのではないかと期待しており、そのアイデアも今度記事化しようかと考えています。
まだ公開情報が少ないので内容は短めでしたが、とても面白い取り組みです。ローンチ後にコントラクトが公開されたらオンチェーン分析もしてみたいと思っています。
Twitter: @0xguss3
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