『どうして雨の日を天気が悪いっていうんだろう』詩を楽しめる人は贅沢な環境で育ったのだ。
こんばんは。そろそろ梅雨の季節がやってきますね。
では本日もお付き合いください。
先日「ミステリと言う勿れ」という漫画を1から6巻まで一気読みしました。現在8巻まで出ているのだが、、借りられてしまっていたのだから仕方がない。
漫画「ミステリと言う勿れ」
あらすじ
解読解決青年・久能整が謎も人の心も解きほぐす、新感覚ストーリー。 カレーが大好きな大学生・久能整。 ある日、自宅にいきなり刑事が訪れて、同級生殺害事件の容疑で警察署に連れて行かれてしまう。 そこで、次々に容疑を裏付ける証拠が突きつけられていくが――!?(公式サイトより引用)
と言う漫画です。
この漫画の中で主人公の久能整(くのう ととのう)くんが印象的なことを言っていました。
(整くんってすごくいい名前ですよね! カレー大好き整くん!頭が天パでハッとさせられるセリフが多いです。作者の田村由美先生は時代や流行りに左右されないとてもいいお話をいくつも書いてらっしゃるのでおすすめです。7 SEEDS や BASARAなど!)
整くんが記憶喪失のおじさんと雨の中言葉をかわす場面で、私が大好きなセリフをいいます。
「どうして雨の日を天気が悪いって言うんだろう。」
すっごくいいセリフ!!たしかに!!ってなりました。同時にすごく懐かしい気持ちになりました。
なぜかと言うと、これは整くんのオリジナルの言葉ではないんですね。
これもまた私の大好きなドラマ「カルテット」の中で(満島ひかりさん演じる)すずめちゃんが
「曇ってたらどうして天気悪いって言うんですかね。良いも悪いも曇りは曇りですよね。」
と言う場面が出てきます。
この言葉を初めて聞いた時、心にぐさーっときました。
普段言葉を考えなしにポンポン出してしまっています、反省。
日本語の美しさ、詳細を説明する語彙の豊富さ。
長い年月の中で削られ生み出され、洗練され続けてきた重みを忘れずに胸に抱きしめて生きていけたらなと思うのです。
詩を楽しめる人は恵まれたひと握りの人
ここ数年で、詩を楽しめるようになってきた。
昔は年寄りくさいと思ってたのに——-。
小学生の頃、なにがいいのかわからないままに国語の授業で詩をたくさん暗唱させられた。
詩を楽しめるのは、少ない言葉の中から今までの経験に基づいてイメージや情景が頭に広がるから。
これができるのはある程度の時間を生きてきた大人だけだと思う。
でもその頃には詩を暗唱できるほどのスポンジのような記憶力はもうない。
でも軽く暗唱できる小さい子は、詩を楽しむための材料がまだ自分の中に十分にない。
なるほど、詩とはなんと高尚な趣味だろう。
子供の頃に、詩の良さがわかる(十分な経験をしてきている)大人がそばに付き添ってくれて詩を教えてくれる。
覚えるまで何度も聞いてくれる。
本人は嫌だと思っても、日本語のリズムを体で覚えて日本語に馴染むからと、根気強く教育してくれる大人がそばにいる。
そんな普通なようで贅沢な子供時代の環境がなければ、大人になってから詩を楽しむことはほとんどないだろう。
自分は子供の頃に習った詩など、全く覚えていないという人でも、体はそのリズムを覚えてる。
言葉をずっと話し続けできた、その相手がそばにいたからこそ、今詩を楽しむことがやっとできるようになってきたのだとわたしは思う。
きっと山に捨てられて、幼少期を動物に育てられた人だと、大人になっても本当の意味で詩を楽しむことはないのではないだろうか。
(逆にその人は自然の雨音や風の音から、人里で育った人には感じられない“なにか”を感じ取ることができるのだと思う)
だから私は、恵まれた人間なのだろう。
子供の頃に体に刻み込まれた日本語のリズムに
今やっと詩を楽しめるほどの経験値が追いついてきたのだ。
これからの人生で経験値はどんどん増えて、詩を楽しめる幅がどんどん増えるのだ。
悲しい経験も辛い経験も、それらの詩を楽しむために必要なものだと考えることはできないだろうか。
私はずっと安定した人生はきっと刺激がなくてつまらなくなると思う。
鮮やかな人生を送るためには幸せな経験と辛い経験の両方が必ず必要なのだ。
幸せを感じるために辛さが必要だと言い換えてもいいのかもしれない。
人は相対的にしか物事を感じ取ることはできない。
大切なのはバランスだ。
そう思うことで、これからの長い人生(人生100年時代を超えて今や120年時代という人もいる!)鮮やかに駆け抜けていきたいと思う。
淡いパステルカラーの人生も優しいが、私は酸いも甘いも色濃い人生を私は送りたいのだ。
淡い色の変化を楽しむのは、歳をとってからでも遅くはないだろう。
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文体がいろいろになってしまいました、、(反省)
最後まで読んでくれたお方、五月病にも負けず色鮮やかな人生を送ってくだされ。
特にこれからやってくる夏は、同じ出来事でもコントラストが濃く感じることができる季節だと個人的には思っておりますので。
それでは、今日はこのへんで。
おやすみなさい。よい夜を。