愛のある、
本当はそこまで好きじゃなかったけど、好きっていうことにしておきました。好きってことにしておけばこの人生にちょっと起伏が生まれると思って。ちょっとは情緒が感じられると思って。それ以外で自分の人生で狂う方法を知らなかったので。狂ってもいい理由が見つかって嬉しかったので。
あの時の気持ちに嘘はないけれど今も覚えていることの全て補正が掛かってしまって事実、今は執着しかないってことも、分かってしまっています。
愛のないセックスでしか繋がれない女の子の歌を歌う男性ボーカルの歌声。自信のなさから浮き出た簡素な憂いには安易に優位に立ててしまうから歪んだ光もスポットライトだと思えば綺麗に見えてしまうんだね。
乙女心を分かっているような素振りをしていても、結局男からみた女しか描けないのが、どうしたってその境界線を乗り越えられないのが見ていてなんだかぞくぞくしちゃうよ。分かったつもりでいて、女の子を虚像の中で愛していて欲しいよ。