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苦しみと共に歩んで来たあなたは、もう乗り越えて行ける
この音声ならびに書き起こしは、インドにて60年近くにわたり壮絶な差別や貧困にあえぐたくさんの方々に向き合い、新たな人生へと導いていかれた佐々井秀嶺上人による、とある日本人女性からの相談に対するメッセージです。
車内で録音したもので、聞き取りにくい部分もあるため勝手ながら自分にて書き起こし、補足も加え紹介させて頂きます。
相談者の女性は、障がい者や高齢者に心身共に向き合い、自立した生活に戻れるところまでの支援をされるお仕事をされてます。
そのなかで、それは喜びもありつつ「心折れそうに」なる時がある。
そんな時にどう乗り越えれば?
佐々井上人は、苦しい中でどのように乗り越えてきたのでしょう?
という相談に対する佐々井上人のお答えです。
※音声ならびに書き起こし分は、佐々井上人のお話しの途中からとなります
肉声の録音は下記ポッドキャストよりお聴きくださいませ🙏
https://open.spotify.com/show/2qZc4ePnZaUEGOWLugAZwC
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(これまでもインドでさんざん)裏切られて裏切られて…
これは仏教用語で六道(ろくどう)を行くと言うんだ…地獄、餓鬼、畜生とかね。
飢えて、食べ物がなかったり、飢え人の、その体験を積むということ。
ケンカをして…修羅道を行く体験をすると…。
畜生道で、もうムチャクソな事をしたりね。畜生みたいな。
そういう六道を駆ける。
学校に行ってもね。これは頭だけでね。
龍樹の中論を解釈したり*…頭だけでやる…本を書いたりね…そういうような人間になっちゃうんですよ。
(龍樹は紀元二世紀頃に生まれ大乗仏教の祖とも言われる。「空」の概念を説く難解な思想を残した)
オレは学校に(不慮の事故と病で)行かなかったから。
世紀の苦悩児というくらいまでに(悩んで苦しんで)日記を書いてるんですよ。
(自分は)人間の失格者とかね。
もう私の書いた(悩んだ想いの)書はたくさんあります。
そういうのは半分くらいね、(悩んで放浪した先の)札幌からの帰りがけに…青函連絡船の(上で)ね…(船から身を投げて死のうと)自殺決意の(時に)…トランクから全部ね、(海に投げて)捨てちゃったんだよ。
…いや、まだどっかに残ってるはず(笑)。
それで…(海に)飛び込もうとしたんだけど…(船員に止められて)ぶん殴られて、もう意識不明になったんだ。
気がついたら船底で、ものすごいぶん殴られてました。
そう言うね、事もやってみたり…。
自殺も、死ぬ寸前にいく…。俺は逝くと…いうところまで…。
そういう…。六道輪廻だな。
六道を渡って来た者でないと…
全ての…この…人間の苦しみを見つめていかなきゃなんない。
人間のいろいろな苦しみ方もあればね。
我々は(インドで)何万という人と付き合ってますから。もう(インドで)56年ですね…やってますから…。
人によってはどういう悲しみを持っているとか、どう生きてきたかとか…見て分かるんですよ。
私の(過去の苦しんだ)体験に合わせて、それが分かるんだ。
(2年前)一緒に日本(あちこちに行脚)に行って、人生相談とか(受けて)ね…(相談者が)女ばかりで抱きついて泣くんだよ。
俺も(一緒に)涙するんだ…。
みんな、そうなっちゃうんだ。
俺も実際、そういうことになっちゃったんだ。
苦しみが分かるんだ。
だからおたくも、だいぶの事を見て…障がい者の苦しみとかを見て、家庭の事情とかね…ずっと見て、同情しながら、心を支えて…。
そしておたくも心を耐え、人々と共に歩んで来た…(そうした)人生といものは、測り知れない尊い価値であり、ものがあると思うんですよ。
だから、いま私が云々する必要なくて、もうあなたは一気に乗り切れて、行けると思います。
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相談者の方も大変に感銘を受けられており、横で聞いていた自分もとても感動するものでした。
みなさまにもお伝えできればとシェアさせて頂きます。
今日もお付き合いくださり有難うございます。
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