エクレアが汗をかく（662文字）
土曜。夕方にお腹が空いて目が覚める、よく寝たけど元気がない。きっと栄養が足りてないので、コンビニで有名店（らしい）が監修しているデカ盛りのラーメンを買ってくる。同じものを以前食べた時はチャーシューが角煮っぽい立体だった気がするけど、今日食べたもののチャーシューは大きな薄切りになっていた。「これが例のコンビニのなんとやら」と思いつつ、量的には適正になった気がして個人的には気に入った。
気づけば夜。ラーメンを食べたくせに何もしていない。「お腹が空かないのでお菓子パーティをしよう」と夫がまたコンビニに出掛けた。一方わたしはインスタでME:IのKEIKOちゃんが踊っていた「ひたむきシンデレラ！」に夢中になってリピートしながら一緒にはなうたを歌っている。玄関で受け取ったコンビニ袋を「ひたむきシンデレラ！」に合わせて振り回したら怒られた。中にはショートケーキとエクレアが入っていた。
ちょっと崩れてしまったケーキとエクレアを皿に盛り付ける。エクレアのパッケージが結露で濡れていた。エクレア自体のチョコレートにも水滴がついている。思い返すと、エクレアっていつも結露しているような気がする。でも、暖かいコンビニから寒い外を通り、あくせくやってきた我が家で汗をかいているエクレア。ショートケーキの横に盛られてなんだか付け合わせのような顔をしているエクレアに励まされ、わたしも何かに汗をかきたくなってきた。食べきれなかったショートケーキは「待ってました」という顔をしている夫に託して、わたしは夜な夜な部屋の大掃除をはじめる。