2022/03 今月の日本語
前書き!
「小説家になろう」にて、現在「モンスターテイマーは世界で最も適当な」を連載しています(ダイマ)
この作品の執筆にあたって、気になった日本語、悩んだ日本語を、復習する意味も込めて、解説していこうと思います。
要約!
今回悩んだ言葉たちです。小説より抜粋しています。
1.それはユナの無意識のところで、固定観念になっていたことだ。(第10話「知覚と暴発と絶叫と」)
固定概念も聞くけど、固定観念で合ってる?
→合ってる
2.うまくいかなくて悶々としてきた。(第10話「知覚と暴発と絶叫と」)
悶々って別にえっちな意味じゃないよね?
→専用技じゃない
3.身体をしたたかに打ち付け、うつぶせに倒れたユナは、何とか顔をあげる。(第10話「知覚と暴発と絶叫と」)
したたかは性格には使うけど、大丈夫だっけ?
→大丈夫
4.木々が消え、ぽっかりと穴が開いた空からは、燦燦と太陽が降り注ぐ。(第10話「知覚と暴発と絶叫と」)
どう書いたらいいんだっけ?
→燦燦と降り注ぐ陽光(など)
5.自分の身体を確認し終え、なにやらばつが悪そうにする偽神。(第10話「知覚と暴発と絶叫と」)
ばつが悪いって一般的に言う?
→言う
6.ともすれば、ふうちゃんの考えてることも、ふうちゃんと一つになることさえできそうな感覚。(第11話「別れ」)
さもするとだっけ?
→ともすればのほうがよさそう
7.雪が解けるのを待つ前に、(幕間1「冬の日の出来事」)
溶けるじゃなくて?
→雪解け
解説!
1.それはユナの無意識のところで、固定観念になっていたことだ。(第10話「知覚と暴発と絶叫と」)
固定観念?固定概念?確かどっちかは造語的な何かだったような…。調べておこう。
検索ワード:固定観念
参考サイト:https://marry-xoxo.com/articles/13438
というわけで、人の話に耳を傾けない人とかに使われる言葉で合っているようですね。
どちらかというとネガティブな意味で使われると思います。
続いて「固定概念」について。
参考サイト:https://studyhacker.net/what-is-stereotype
「固定概念」は辞書に載っていない誤った日本語だそうです。「固定観念」や「既成概念」が混ざって生まれた言葉なんですかね。概念というのは1つしか存在しないので、固定できるものではないそうです。
2.うまくいかなくて悶々としてきた。(第10話「知覚と暴発と絶叫と」)
えっちな意味でよく聞くけど、そうじゃないときも使うよね?大丈夫だよね?
検索ワード:悶々とする
参考サイト:https://www.weblio.jp/content/%E6%82%B6%E3%80%85%E3%81%A8%E3%81%99%E3%82%8B
まさにドンピシャで助かる。性的欲求不満の専用技かなと一瞬思ったりしたんですけど、悩んでうんうん唸ってる様子とかにも使いますよね。
3.身体をしたたかに打ち付け、うつぶせに倒れたユナは、何とか顔をあげる。(第10話「知覚と暴発と絶叫と」)
これも「大丈夫だよね?」シリーズです。使えるよね?
検索ワード1:したたかに打ち付ける
参考サイト1:https://thesaurus.weblio.jp/content/%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%9F%E3%81%8B%E6%89%93%E3%81%A1%E4%BB%98%E3%81%91%E3%82%8B
検索ワード2:したたか
参考サイト2:https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%BC%B7%E3%81%8B/
ということで、無事に使えそうです。「したたかな性格をしている」とか、その人となりに使うことがおおいと思うのですが、「したたかに腰を打つ」など、はなはだしとき、ひどいときにもちゃんと使えるんですね。「したたかに酔う」は初めて聞きました。使ってみようと思います。
4.木々が消え、ぽっかりと穴が開いた空からは、燦燦と太陽が降り注ぐ。(第10話「知覚と暴発と絶叫と」)
燦燦だけで太陽の意味が含まれてたりするんじゃないかと深読みしました。
検索ワード:燦燦と太陽が降り注ぐ
参考サイト:https://www.weblio.jp/content/%E7%87%A6%E3%80%85%E3%81%A8
何個か入れ替えたパターン「燦燦と降り注ぐ太陽」「太陽が燦燦と降り注いでいる」などもあり、Googleの検索ヒット数も何十万件とあり、太陽自体も合わせた文章で用いられるのは十分一般的だと言えます。
5.自分の身体を確認し終え、なにやらばつが悪そうにする偽神。(第10話「知覚と暴発と絶叫と」)
「2022/02 今月の日本語」にて、死語の気配を感じました。「ばつが悪い」もなんか死語の気配がする…。
検索ワード:ばつが悪い
参考サイト:https://ja.wiktionary.org/wiki/%E3%81%B0%E3%81%A4%E3%81%8C%E6%82%AA%E3%81%84
他にもいくつかサイトを覗きましたが、どこも年代や死語かどうかを取り扱っているところはありませんでした。
「ばつが悪い 死語」で調べても、検索の時点で「死語」をはじいた検索結果になりました。(”含めて検索:死語”が表示される)
そのため、一般に使われる言葉で大丈夫です。よかった~
ちなみに、気まずいとか、場違いな様子とかという意味です。
6.ともすれば、ふうちゃんの考えてることも、ふうちゃんと一つになることさえできそうな感覚。(第11話「別れ」)
検索ワード:さもすると
参考サイト:https://eigobu.jp/magazine/tomosureba
「さもすると」という言葉はなんと無さそう。やっちまった。
「然も」はあるようなので、それをなにかとこんがらがって作った言葉かもしれません。でもどっかで聞いたことあるんだよなー。などと思いつつ、検索結果に出てきた「ともすれば」が非常にマッチしていたので、こちらに変更しました。
さもすると民の皆さん、「さもすると」は一般的な言葉ではないので、「ともすれば」や「ややもすると」もしくは「然も」に書き換えましょう。
7.雪が解けるのを待つ前に、(幕間1「冬の日の出来事」)
「溶ける」だと思ってました。「ゆきどけ」でPCで変換したときに「雪解け」になり、確かに「雪解け」は「解」のイメージがあるなとなり、調べました。
検索ワード:雪が解ける 漢字
参考サイト1:【マメチ】「雪がとける」は「溶ける」「解ける」どっちが正しい?
参考サイト2:放送用語委員会(東京)用語の決定
ということで、雪が自然にとけていく時は、「解ける」を使いましょう!
感想!
日本語って本当に複雑ですよね。特に漢字の取り回し。あと読みなどのこんがらがり。今回出た「固定概念」が「固定観念」と「既成概念」で混ざったり、「雰囲気」も言いやすいからと「ふいんき」と呼ばれたり、日常にあるうっかりな言い間違いを集めて並べたら、あるある~とかなって面白いのかなと思いました。
これからも、物書きとして正しい日本語が使えるよう精進していきます。
P.S.
ちなみに、かの有名な冬季限定のチョコレート、以下のフレーズがCMで流れてますよね。
「冬のキッスは~、雪のようなくちどけ~」
これ、各所で見てみると、「雪のようなくちどけ」とひらがなになっていました。雪のようなとありつつも、口で溶かしているという事実。やっぱり悩んだ時はひらがな最強ですね。
おまけ☆(宣伝)
「モンスターテイマーは世界で最も適当な」が、ついにプロローグの第0章(1話~11話)が終わり、先週から第1章(12話~)に突入しました!
ますます展開の読めない(読めるほど展開してない)「モンスターテイマーは世界で最も適当な」を、よろしくお願いいたします!