#なんでないのプロジェクトに賛同できない理由というか、ちょっとした疑問点
緊急避妊薬市販化運動に初期の方から関わっていました。そんな私からしても、福田和子氏の話は「賛同できるんだけど、突っ込みたいところはあるで」という感じなので軽く、フランクに突っ込みます。勿論、緊急避妊薬を薬局で買えるようにはすべきだし、避妊法も充実させるべきだと思っているんだけどね。これだけは言いたいんやわ。
漫画が色々とおかしい
まず、「避妊法」って言ってんのに、ミニピルが書いてない。どういうことやねん。ミニピルも避妊効果あるねんけど。
ただな、ミニピルは飲み忘れが3時間とシビアで、その為欧米では避妊法としては余り人気が無いんや。日本みたいに月経痛緩和のみとなると、低用量ピルよりはミニピルの方がええわな。混合ピルは血栓症のリスクがあるんや。世界初のピル・エノヴィド(Enovid)はホルモン量が高かった(注釈1)んや。やから副作用も今のピルと比べたらめちゃめちゃ強くて、そのような初期のピルを欧米のフェミニストは問題視してん。あと、日本人カップルは欧米人カップルと比べて比較的淡白なのと、月経痛緩和の需要が多いから、そういった面で日本ではミニピルは潜在的需要が多いんやで。そもそも現代日本の避妊の状況がこんなにカオティックになっとんのは、日本のフェミニストの中に反対しまくった人がいる(加藤シズエ(優生思想丸出し)とか、女のためのクリニック準備会(ウィメンズセンター大阪が母体)とか)+中絶がビジネスとして成り立っていた時代があった(コンドーム避妊のバックアップとしての中絶)+家族計画を担っていたのは看護師や保健師、助産師と言った専門職では無い人+中絶禁止の法律の為、闇中絶で死ぬ人まで出た欧米に比べ避妊の切実さが高くなかった(オマケにそんなにセックスしない)
という状況があるねんな。それを考慮せず、「避妊法がない！」というのも如何な物かとうち思うんや。
物価無視し過ぎな件
https://www.nandenaino.com/know-the-truth-2
ネパールは薬局で80円、タイは150～200円って、
物価が安いだけやん‼️
アメ公はまだしも、ネパールとタイは物価が安いから、単純に比較できひんのや。それに米国でもそんな事やってるのはリベラルな州で、保守的な州だとまた違う。
日本人がカンボジアやタイ、ベトナム行ったら金で無双できるやろ？ついでに言っとくとな、日本にペルー人やブラジル人、ベトナム人と言った外国人が来るんも日本の方が稼げるからなんやで。
そういう事や。福田和子はんも、ここら辺は分かっとると思うけど、海外の事を何も知らんアンポンタンはコロッと騙されてまうで気を付けなはれや。
あと、アメリカは宗教的な人もかなり多い(特に南部、まず創造博物館でググれや)んで、宗教的な理由で現代的避妊法を使わん人も少なからずいんねん。
それも個人の選択やし、ワシは何も言わへん。然し、こういう人もいるって事も知ってもらわなあかん。
男の責任に帰結しすぎ
福田和子氏の記事を読んだんやけど、(家父長制と異性愛規範を強く内在化した)日本のフェミニストが、「男に飲ませられる！」式にピルに反対していたという事については殆ど触れんと、「男が反対した！」式の論理を繰り広げているんや。この主張が正しくない事はピルの歴史からも反証できるし、バイアグラを引合いに出す奴も多いんやけど、本当に「バイアグラがすぐ承認されたのは男性中心社会である」んやったら、バイアグラは電光石火の勢いで保険適用になってたはずや。今でこそ不妊治療目的だと認可する話もあるようやけど。日本のフェミニストって本当にうんこ💩やな。
てか、お仲間の染谷明日香はかつてピルのライフデザインドラッグ化を推進していたので……
注釈
事実、初期のピルはホルモン量が高く、Enovid 10mg(norethynodrel (ノレエチノドレル。プロゲステロンの一種。なんかこう書くと「ル」に見えてしまう) 9.85mg, mestranol (メストラノール。エストロゲンの一種) 0.15mg)だと、当時は排卵の抑制作用はプロゲステロンのみに存在すると考えられており、尚且つ避妊効果の確実さを期待したが為に、用量が非常に高かったが、それを問題視したFDAや、フェミニスト等によりホルモン量の低減がなされた。
参考文献
『 ピル 私たちは選ばない』女のためのクリニック準備会著、1987年。
『 ピル避妊のすべて―低用量ピルの新時代』小林拓郎他著、1997年。
プランド・ペアレントフッド (Planned Parenthood)のサイト様(英語苦手な人はGoogle翻訳で見られる)
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