【育児】娘のいたずらに思う
子どもは基本的に「いたずら」をする生き物である。
私も家の照明器具から垂れるひもにぶら下がろうとして落下し、照明器具を破壊したことがあったり、冷蔵庫の上のものをとるために冷凍庫を少し開けてよじ登り冷蔵庫の上にあるものをとった結果冷凍庫を破壊するなど、数多くのいたずらに精を出し、そのたびに親に叱られてきた。
娘を最近見ていると、おそらく「いたずら」の何たるかがわかってきたような様子になったようだ。砂場で石をわざと食べようとしたり、キッチンと居間のあいだに設けている柵の間に足を入れようとしたりと枚挙にいとまはない。
しかし、娘の場合は、単にいたずらをしているというだけではなく、おそらくいたずらだとわかっていていたずらをしているようすがうかがえる。
というのも、こちらを見ながら砂場で石を食べようとするのである。言ってしまえば「こちらのリアクション待ち」でいたずらをしていることがしばしばある。
この間も紙をかじり食べたことがあった。健康を害したらそれはそれで困るので、こちらは笑みを見せずに厳しい顔をしてみせるのだがなんのその、ムフフと笑って娘はご満悦である。言ってしまえばこちらが「だめだよ」というのを待ってましたかと言わんばかりの様子なのだ。
もちろん、本人が関心を集めるために派手なことをしているのか、単に食べたくて食べてしまった結果なまじ笑みを浮かべない私の顔を見て「えへへ」と笑っているのかはわからないが、顔つきを見るにバツが悪い感じもなく、自分のなしていることが「いたずら」であることをおぼろげではあるが認識していることがうかがえる。
とかく赤ちゃんは未発達だと思いがちだが、よく見ていると結構賢いものなのだろう。リアクション待ちのいたずらをする娘にお決まりのリアクションをとるとき、私は知らぬうちに娘の小さな掌の上で踊らされているのかもしれない。