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【育児】バルタン星人は「宇宙忍者」なのか

娘と時折テレビをみるときには普段見ているようなニュース番組を見るわけにもいかず、子供向けの番組を一緒に見る。
子供向けの番組では、CMも子供向けのキャラクターグッズや関連する商品のものが多い。うち、ウルトラマンのCMで様々な敵キャラクターのカードを販促しているものがあり、ふと「宇宙忍者 バルタン星人」というフレーズが目に入った。

バルタン星人は言わずもがな、あの大きなハサミとセミのような顔つきが特徴的なウルトラマンの敵キャラクターの一人である。小さなころから見ていたものの、彼が「宇宙忍者」であるというのは実に衝撃的な事実であり、娘の傍らでふと私はバルタン星人について考え込んでしまった。

考えてみるとバルタン星人に忍者としての素質があるのかどうかは疑問である。
本来、忍者とはその名の通り世を忍ぶ存在であり、あまり表に出ずに諜報活動などにいそしむものだ。それだけに、基本的に忍者はそれほど人目についてはいけないし、目立つことをはばかるのがふつうである。

まずもって、バルタン星人は体がでかすぎる。
ウルトラマンと対等に張り合うくらいなので、世の中のビルなんかよりは大きいサイズである。この時点で世を忍ぼうという忍者としての気概を感じることは難しい。
私のおぼろげな記憶だが、バルタン星人はもともと、宇宙船の修理か何かのために地球にやってきていたはずで、なんだかんだで地球を気に入って侵略を開始しているはずだ。宇宙船の修理をしているふりをしながら実は工作活動にいそしむのであれば忍者としてまだあり得るように思うが、侵略をすると決めた結果、人目もはばからずにウルトラマンとの戦闘が発生させ、街を破壊するというのは忍者失格である。

もっとも、私が申しあげているのは「地球忍者」の話であって、「宇宙忍者」となると忍者のありようもまたスケールが違うのかもしれない――と考えた時、すでに娘はテレビの前にいない。「おや」と見渡すとすでに木のブロック遊びに娘の関心は移っていた。
宇宙忍者だろうがなんだろうが、バルタン星人で私が止まっているあいだにも、娘に流れる時間は前へ前へと進んでいくのである。

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