選択の自由
今の自分がいても、過去の自分には死を選ぶ権利があった事を否定するような考え方はしたくない。
もちろん、過去の自分が生を選んだおかげで、今の自分が存在していて、出会ってよかった人々や作品に出会えて、本当によかったと思っている。
そして過去に自分が経験した事を創作の肥料にする事ができて、満足もしている。
それでも、もし当時の自分にメッセージを送る事ができるとしても。
「あなたが今経験している事は貴重な経験だ」とは、決して、言いたくない。
あの子にとって、今の自分は数多ある可能性の一つに過ぎない事、そしてこの未来を選ばなくても良い事を、否定したくないからだ。
そして今の自分も同様、あの子の選択に縛られず、例え今死を選んでもいい訳だ。
「あの子の決意を無駄にするような事」だとは、思わない。
だってあの時も今も、自分は一瞬一瞬を精一杯に生きている。
だからこそ、過去の自分には本当に感謝している。が、決して「ありがとう」とは言わん。
自分は、今の自分と対話し、選択をし続ける。ただそれだけだ。