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#01 「自己啓発」と「自己陶酔」の狭間

いきなりですが、下のグラフをご覧ください。

こちらは総務省が実施した「平成 28 年社会生活基本調査」の結果です。簡単にいうと、「自己啓発に取り組んでる人に伺います。あなたはそれを何のためにやっているのですか?」という質問に対する回答者割合(%)です。

まず目に入ってくる色は何ですか? ...オレンジ色ですね。つまり「自分の教養を高めるため」と回答している人が多いということです。

「芸術・文化」や、「人文・社会・自然科学」でオレンジ色が高いのは納得できます。しかし「パソコンなどの情報処理」や「英語」においてもオレンジ色のバーが高いんです。

「ITスキル」や「語学スキル」は今後生き延びていく上で習得すべきスキルなのでしょうか? それとも人生を豊かにする教養なのでしょうか?

皆さんはこの日本の現状をどのように考えますか?

【現状に対して肯定派の意見】

・日本は1億人以上の巨大なマーケットであり、その経済圏で生活できる人は大勢いる。今後英語を用いる人は少数派であり、大勢がこぞって仕事のために英語を勉強する必要はない
・教養を高める、という行為自体は仕事一辺倒にならないストッパーであり、生活をする上で非常に重要な要素である。何でも合目的にスキルを習得する考え方は誤っている

【現状に対して否定派の意見】

日本は米中などと比較して、語学の面でもITスキルの面でも遅れをとっている。日本からユニコーン企業が出にくいのは、これらが壁となり国内市場の壁を乗り越えていけないからであり、早急に意識を変えるべきである
・日本は終身雇用制度があるため、自分のスキルを磨きながら市場環境に揉まれつつステップアップを図る機会が奪われてしまっている。ひいてはそれが日本全体の停滞にも繋がっている

ちなみに総務省の調査結果はこちらです。興味深いのでぜひご一読を。