復職への道(通うぞ!デイケア)①
絶賛休職中(1年3カ月目)の私だが、一応来年の2月に復職が決まった。めでたいといえばめでたいが、また1から始めるのと変わらないため前途は多難である。そこで復職までの猶予が2か月あるため、その時間を使って出勤もどきをしよう!という考えにたどり着いた。それがかかりつけの心療内科に併設されているデイケアに通うという作戦である。
デイケアは基本的に精神疾患を抱えた人の生活のリハビリの場のようなものなので、いざ復職!という私にはやや物足りない場所かと思ったが、私の住んでいる場所は田舎である。リワークプログラムなどという立派なアレをやってくれている施設など県庁所在地に行かねば無いのである。僻地に住んでいる私に選択肢など無いに等しかった。そのため、とりあえずデイケアにまずは週3くらいで通って生活のリズムをつけて、人がいる場所で何か作業をする、なんちゃって出勤のようなものがやれればそれで良いのではないかという考え、デイケアに通うに至った。
まず、デイケアに通うにあたり他の記事でも登場した我がカウンセラー・ジョン(私が心の中でそう呼んでいるだけで日本人男性である)に相談することにした。ジョン曰く、デイケアに通うだけでも良い練習になるかもしれないので、主治医にデイケアの話をしてみてはどうかと言われた。デイケアに通うにはまず主治医に話を通さねばならんらしい。その日は診察もあったため、診察の際に主治医にデイケアの話をしてみたところ、デイケアの人に話しとくから今日見学していったら?と、トントン拍子に話が進んだ。診察後はデイケアの臨床心理士との面談があり、そこでデイケアの説明を受けた。内容としては概ね私の想定内という感じであったが、問題は費用である。今の私では、1日通うだけでも2400円程度かかるのである。2か月で6万円近い出費となることがわかると早速迷いが生じた。高い。高すぎる。6万円あったら好きなブランドのワンピースが2着買える。正直どこかに通う練習をするだけなら自分でもできるのではないか、6万円払う価値がデイケアにあるのか?と疑問に思った。しかしそこはいろんな制度があるもので、臨床心理士は自立支援医療の対象になれば1割負担で済むので1日800円で受けられることを説明してくれた。お昼ご飯代も含めれば1日1000円である。これなら通えそうである。とりあえず臨床心理士さんから主治医に自立支援医療の診断書を書いてもらえるかどうか話をしてもらった。しかしながら私は厳密に言えば精神疾患ではなく身体疾患なので自立支援医療が使えるかどうか不安なところがあった。だが幸いにして私は自立支援医療の診断書を得ることができ、役場に手続きに行くことができた。発行まで3週間程度かかるとのことだったが、そこでもらった紙が証明書代わりになるとのことで、心療内科でかかった費用が1割負担になることとなった。ありがたい制度である。心身症の私では無理かと思っていたが、案外幅広いものらしく、私でも恩恵を受けられることとなった。ここでひとまずお金の問題は解決した。
そうとなったら通う準備である。1日のプログラムは午前と午後に分かれており、私は手工芸コーナーを利用することにしていた。そのためペーパークラフトやビーズ、裁縫などの準備をして、残りの時間は仕事の勉強の本を持っていくことにした。なるべくきちんとした服を着て、ちゃんとお化粧をして行くのだ。初日前日は少し緊張していた。一度見学したとはいえ知らない人だらけの知らないところへ通うのだから当然といえば当然である。ややドキドキしながら眠りについた。
そして初日の朝は無事起床し準備を済ませ心療内科にたどり着いた。そこからは私の担当の作業療法士さんがデイケアを案内してくださり、簡単な面談をした。そこでは基本手工芸などに使う刃物類の鋭利なものは持ち込み禁止であることを伝えられた。いかにも心療内科らしいルールである。その後デイケア内の小さい部屋に通され、ここで好きなことをして過ごしてくださいねと言われた。テレビのついた部屋では塗り絵をする男性と編み物をする女性がおり、私は空いた席に座りペーパークラフトを始めた。私が黙々とペーパークラフトを始めると、隣に座っていた女性が声をかけてくれた。話を聞いたところ、職場でいじめに遭いうつ病になり3カ月入院してデイケアに通っているという人だった。その方と少しお話をしながら手芸をやり、穏やかな時間を終えることができた。ここではゆっくりとした時間が流れている。だがそう思ったのは午前中だけであった。デイケアのお話は②に続く。