鉄筋コンクリート造の壁とせん断破壊【建築士試験】
こんにちは!ゼロ所長です。
今日は鉄筋コンクリート造の壁とせん断破壊について考えるね。
こんな問題が出題されることがある。
鉄筋コンクリート造の建築物で壁の多いものは、水平剛性および水平耐力を大きくすることができるが、脆性的な壁のせん断破壊を生じやすい。
正解は・・・ 〇となるのだけど、なぜだかわかる?
知識ゼロの人が読んだら意味不明の文章だね。
一緒に考えてみよう。
鉄筋コンクリート造の壁とせん断破壊
鉄筋コンクリート造の壁は、とても「かたく、耐力の大きい部材」なんだ。
とてもかたいので外力が作用しても全然変形しない。
それに、とても耐力が大きいので大きな外力に抵抗できるんだ。
その代わり、壁の耐力より大きな外力が作用すると、突然、壁に斜めの破壊線が入って壊れてしまい、それ以上、外力を負担できない状態になるんだ。
このような破壊をせん断破壊という。
せん断破壊や座屈のように、突然、部材の耐力が無くなるような破壊形式を「脆性破壊」というんだ。
鉄筋コンクリート造の壁は「かたくて耐力が大きい」のだけど、一方で、壊れる時は一気に壊れるのが問題だね。
壁を多く配置した鉄筋コンクリート造の建物では、壁のせん断破壊が生じやすくなるんだ。
一方、ラーメン構造は、壁構造と比べると「柔らかく、耐力も小さい」のだけど粘り強さがあって、外力によりラーメン構造が少しづつ変形して、最終的に破壊に至るんだ。
つまり、壁構造とラーメン構造で一長一短があって、構造的にどちらが優れているという話ではないんだね。
地震力によるエネルギーをどれだけ吸収できるか、という観点で考えれば、どちらも同等の性能を持つことができるってこと。
「壁構造はかたくて、耐力も大きい。だけど、壊れる時は一気に壊れる」のように、表があれば裏の両面がある。
メリットとデメリットが存在することを覚えておこう。
まとめ
よし。これまでの情報を元に整理しようか。
壁構造はかたくて、耐力も大きい。だけど、壊れる時は一気に壊れる
壁に斜めの破壊線が入って壊れてしまい、それ以上、外力を負担できない状態になる
壁を多く配置した鉄筋コンクリート造の建物では、壁のせん断破壊が生じやすくなる
こんなかんじで問題を解けるよ。
参考
最後に参考にした記事を掲載しておくね~。それでは~。