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自分が楽しく働くから、提供できること。


「これからやっていくことの中で、自分らしさを出すとしたら何を大事にしていきたいですか?」

私はバリスタの仕事以外に、コーチとしても活動をしているのですが、
コーチングセッションで、コーチがする質問には、例えばこのようなものがあります。私も実際にしたこともされたこともあります。

コーチングはクライアントが存分に考える時間を提供できる、自分で考えることを"助けることのできる"サービスなので、

自分がこの質問をするときは、答えがどうあれ、それをその人自身が掬い上げてきたということにすごく嬉しくなります。

ここでは、答えそのものが何かということよりも、

【自分が何を大事にしているか自分でわかっている】こと、

ひいては、それが明確になることで力を出せるということに価値があります。

今日は、私がコーチにこの質問をされたときのことを交えながら、自分が何を大事にしてきて、していきたいのか、という話をしたいと思います。

少し長いですが、良ければ読んでみてください。

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もともと自店の開業に必要な技術を得るために、バリスタの仕事を始めたことはこちらの記事に書きました。




しかし、そもそも自分が自営業をしたい、それでなければならない、と考えたのには遡るとまた理由があります。いくつかありますが、ここではひとつだけ。


私はずっと、自分というものにお金を払ってもらうことについて考えてきました。

これまで就職したのは1度だけ。専門学校2年生の春、在学中に就職をしました。
職種は動物看護師で、希望していた動物病院で働けることになり、働きながら行ける授業には行く、という選択をしました。

地方の病院には珍しく獣医師4人、看護師5人からなる忙しい病院でしたが、先生たちからものすごく【探される】エースで4番みたいな看護師の先輩がひとりいて、この指名率はなんなのか?
今思えば、この時からそういうことを考えていました。


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自分にお金を払ってもらうために、どうすれば良いか。
これは自分を選んでもらうためにどうすれば良いか、ですよね。
もっと言えば、選び続けてもらうために。

暫定的な答えではありますが、これが自分らしさ、ではないかと考えています。

技術や知識や仕事のできかたが揃った状態での話です。
センスというか、絶妙な距離感だったり、キャラクターの部分が人を掴んで離さなくさせる。
そこでそうするんだ!と相手に感じさせられる部分とも言えます。
これのもとになるのが、【何を大事にしているか】だと思っています。


私には、動物病院時代からこっそりと重ねてきた自由研究があります。
テーマは【ひとは何で動くのか】です。
これについて情報を集めたり、小さく実験を繰り返してきました。

専門学校のときに1番面白かった授業は動物行動学でした。
本当に基本的なことしか学んでいないですが、これがベースになっているから、今も、"人間も動物"と捉えてしまうんです。

そういう視点を持って生きてきたので、
ひとも動物も逆らえない本能みたいなものに、あまり抗う気になれません。
非効率だし、そもそもそうするべきでもないしな…と考えてしまいます。

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さて、冒頭の質問への私の答えは

【楽しさ】

でした。

私は自分が関わることに【楽しさ】を大事にしています。
そして、これからもそうしていきたいと考えています。

ここでは2つの理由をお伝えします。

ひとつめは、
楽しさには逆らえないから。

もうひとつは、
楽しいほうがいい仕事ができるから。


ひとつめの、"楽しさには逆らえない" をもう少し詳しくお伝えします。

正しいとわかっているのにできないことはたくさんありますが、
楽しいことは考える前にやってしまいます。
しかもたくさんやってしまうんです。

【正しいけどやりたくない】と

【やってはいけないけど楽しいからやってしまう】

これは、本能(感情)と理論の綱引きという意味で同じ構造です。

私はここを【正しくて楽しい】にできないかな、ということを考えてきました。
主に、得たい結果に対して努力が必要な場合に、こう考えます。


また動物の話になってしまって大変恐縮ですが、
犬のしつけ教室ってありますよね。私の働いていた病院でもやっていましたが、
これは実際には"しつけかた"教室で、人間(飼い主さん)の言葉がどうしたら犬に伝わるのか、ということを人間に教えます。

ポイントは人間の正しさを、犬の楽しさに結ぶことで、してほしい行動を楽しいという感情に繋げるコツを人間に伝えることで、問題行動の改善を図ります。

ちょっと話がそれましたが、【楽しさという価値は、訴求が強い】んです。

前述の研究テーマを握りしめたまま、いろんな場所でいろんなケースを実際に見てきて、その上で私は自分の体験からどうやらこれは本当だ、と思っている。

もっと言えばひとが動く理由が楽しさである、という場面が好きなんです。
そのため、楽しさを切り離さないようにしています。


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ここで2つ目の、楽しいほうがいい仕事ができる、についてですが
ここでのいい仕事とは、相手を喜ばせることができることとして書きます。
そう考える理由となったエピソードをひとつ。

「お客さんは、喜ばせてあげたら絶対に帰ってきてくれる」

これは私が尊敬するシェフの言葉です。
そのお店は連日予約で満席で、毎日が"1番忙しい忙しさ"だから、何曜日に休みを取ってもいいよ、というお店だったんですね。

つまり、お客さんを喜ばせ続けていて、結果選ばれ続けている。
自分を選んでもらうためにどうするか、ということを考え続けている自分に、
この言葉は雪崩のような説得力とともに入ってきました。


そして、冒頭の質問で【楽しさを大事にしていく】という答えが自分から出てきたとき。

ほとんど無意識に思い出していたのは、働いているコーヒーショップのお客さんと、その中にいる自分で、その自分は
「こういう景色が見たくて自分はこれをやっているんだよな」と感じていました。

そのときのセッションでは、
私がこれからやっていきたいことについて話していて、それは今まさにやっている、やろうとしていることなのですが

【複数の場で活動をすることで、自分にもそれぞれの現場にも相乗効果を生み出せるようなことをやっていきたい】という話をしていました。

そういうことをできる人が求められていると感じていましたし、反面、それをできる状況にある人はまだ多くないことだとも感じていました。

しかし、これまでと違うことをすること、あまり周りにロールモデルがいないことなどに、大きな不安と自信のなさを感じていて、だからこそ、それができたときのイメージを、すでに自分にある体験から抽出したかったのだと思います。

すでにコーチングを学んでいたのもあって、コーチの質問を、

自分がこれからやっていくことでどんな価値を提供してその相手と一緒にどうなっていきたいのか。

と噛み砕いて考えることができました。

そして、自分のお客さんとそこにいる自分を思い出しているうちに、
自分はそれを知っている、(その質問の答えということですが)そう感じて、あ、じゃあ大丈夫だ、と。
目指す場所わかったわ、みたいな感じです。
戻ってこられる価値観がある強さを感じました。

どういうことかというと

自分は今後自分のお客さんとなる人とも、こういう関係を築けるといいな、と感じている。そして、それはどんな仕事でもおそらく変わらない、ということがわかったんですね。
場所とか職種に縛られることなく、そこを目指せばいいんだよ、と。

大発見ですよね。しかも、すでに知っていることを大発見に感じるという謎さ。
ブレイクでしたね。

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では、そのお客さんとはどんな関係だったのか?
これがまさに、

自分が楽しんでいることで生まれる価値を、相手が喜んで受け取ってくれている、という関係】だったんです。

【言葉で伝えてくれる】お客さんが多いお店でした。
言葉が全てだとは思っていませんが、その人が言うから伝わる、というか
実感を言葉という単位で受け取っている、そんな感じでした。

結果として、オーストラリアで蒔かれた種(下の記事にあります)を大きく育ててもらうことができました。


このお客さんたちに、お互いに選んでいるよね、ということを肌で理解させてもらったことは、とても大きな学びで自分のその後の方向性、次のステップへの決め手となったと思います。

そして、これは感覚の話になりますが、働くことが労働というものかどうかはさておき、"自分が楽しく働くことが喜ばれる場所"が、みんなに必要になる。

そういう未来がとても近くなっている気がしています。


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今日は、大事にしていること、その理由について書きました。


自分の体験から考えて自分で決め、行動することは、うまくいってもいかなくても、とても自分のためになります。

他人の答えでなく自分の答えで行動した結果は、自分にとってだけは高い有用性があり、求めるのはひとまずここだけでいい、とある時点でわかったことは、自由研究にも自分の生きかたにも大きな助けとなりました。

そして、この学びは自分と似た価値観の他人に限り、少しだけ役に立つことがあります。もし、こういった考えかたが、誰かの役に立つことがあれば嬉しく思います。

読んでいただきありがとうございます。
自分も振り返りができました。

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Chie Oikawa /間借り書店/ゆる対話会
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