見出し画像

ウェブとフランジ、曲げモーメントとせん断力の関係【建築士試験】

こんにちは!ゼロ所長です。

今日は、ウェブとフランジ、曲げモーメントとせん断力の関係について考えるね。
こんな問題が出題されることがある。

はりの継手は、せん断力をフランジ継手が負担し、曲げモーメントをウェブ継手が負担するものとして設計した。

正解は・・・ ×となるのだけど、なぜだかわかる?
知識ゼロの人が読んだら意味不明の文章だね。
一緒に考えてみよう。


ウェブとフランジの違い

結論を書くと「 せん断力はウェブ継手が負担、曲げモーメントはフランジ継手が負担 」する!

問題文は説明が逆さになっているので誤りなんだ。
まずは、ウェブとフランジの意味から理解しよう。

ウェブとフランジは鋼材をつくる「板の名称」だ。

フランジは両側(両端)から挟む板のこと(よってフランジは2枚ある)、ウェブはフランジに「挟まれる板」のことだ。

H形鋼でいうと、カタカナの「エ」の上下の横線が「フランジ」、横線に挟まれる縦線がウェブになるね。

ウェブとフランジ
ウェブとフランジ

言葉だけで丸暗記すると忘れやすいから、できるだけ形状のイメージと結びつけて覚えよう!

たとえば、フランジの「フ」を書くとき、横線から書き始めるね。
これと上下の横線がフランジであることと結び付けるとかね。

あとはウェブの「ウ」を書くとき縦線から書き始めるから、縦方向の板になるウェブを連想するとかもOK。

ウェブとフランジ、曲げモーメントとせん断力の関係

実は、ウェブとフランジはそれぞれ別の役割があるんだ。
それは

  • フランジ ⇒ 曲げモーメントを負担する

  • ウェブ ⇒ せん断力を負担する

ってことだ。なんでかっていうと、曲げ応力度とせん断応力度の分布形状が関係している!

実は曲げモーメントによる応力度(曲げ応力度)は下図のように、上下の端部付近が最も大きな値となるんだ。

曲げ応力度
曲げ応力度

一方、せん断応力度の分布をみると、中央付近で最大となり、上限端部付近ではゼロに近くなる!

せん断応力度
せん断応力度

両者の応力度の分布をみると一目瞭然だね。
つまり、こういうことなんだ。

  • 曲げ応力度の値 ⇒ 上下端部付近で大きい ⇒ 断面の上下端部に配置されたフランジが抵抗

  • せん断応力度の値 ⇒ 中央部付近で大きい ⇒ 断面の中央付近に配置されたウェブが抵抗

ちなみに、関係性を丸暗記したかったら、文字数の多い同士が対応する(フランジは4字で曲げモーメントは7字、ウェブは3字でせん断力は4字)ような覚え方はどうかな?

まとめ

よし。これまでの情報を元に整理しようか。

  • 曲げ応力度の値 ⇒ 上下端部付近で大きい ⇒ 断面の上下端部に配置されたフランジが抵抗

  • せん断応力度の値 ⇒ 中央部付近で大きい ⇒ 断面の中央付近に配置されたウェブが抵抗

  • せん断力はウェブ継手が負担、曲げモーメントはフランジ継手が負担

こんなかんじで問題を解けるよ。

参考

最後に参考にした記事を掲載しておくね~。それでは~。

#一級建築士試験
#一級建築士学科試験
#二級建築士試験
#一級建築士試験独学
#一級建築士試験過去問
#二級建築士学科試験


いいなと思ったら応援しよう!

ゼロ所長【一級学科Ⅳ解説屋/相談カフェ】
よろしければ応援お願いします! いただいたチップはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!