偏心K形筋かいのエネルギー吸収能力【建築士試験】
こんにちは!ゼロ所長です。
今日は靭性と柱と梁の幅厚比の関係について考えるね。
こんな問題が出題されることがある。
偏心K形筋かい付き骨組みは、適切に設計することにより、剛節骨組みと類似のエネルギー吸収能力の高い骨組みとすることができる。
正解は・・・ 〇となるのだけど、なぜだかわかる?
知識ゼロの人が読んだら意味不明の文章だね。
一緒に考えてみよう。
偏心K形筋かいのエネルギー吸収能力
偏心K形筋かいとは、当該階の床梁と直上階の床梁(たとえば、2階床梁と3階床梁)との間に「ハ」の字で配置されたブレースのことだね。
梁とハの字に配置したブレースを90度回転させてみると、ローマ字の「K」のように見えることから「K形筋交い」というんだ。
「偏心」と書いてあるのは、2つの筋交いの軸芯が1点で交わらず偏心するからだね。
まさに、カタカナの「ハ」の字に配置されているよ。
通常、ブレースは各部材と軸芯とが1点で交わるように配置する。
そうしないと、ブレースに生じる軸力が「外力となって部材に曲げ応力、せん断力」などを発生させるからだね。
前述したように、偏心K形筋かいは「ハ」の字に配置されるから、上階床梁ではブレースは偏心して取り付いているんだ。
1つのブレースに生じる軸力は、片方のブレースに伝達されるのでは無く、上階床梁に「せん断、曲げモーメント、軸力」として影響を及ぼすんだ。
だけどこれを逆手にとって、上階床梁の偏心応力が作用する範囲を「筋交いが座屈する前に降伏させておけば、地震時のエネルギーを十分に吸収可能」となるよ。
座屈は急激な耐力低下現象だね。
だから、座屈が起きないような設計が必要するよ。
筋交いの座屈が起きる前に、梁の中央部(偏心応力が作用する範囲)が降伏すれば、その部分が地震エネルギーを吸収する機構(仕組み)となるね。
まとめ
よし。これまでの情報を元に整理しようか。
偏心K形筋かいとは、当該階の床梁と直上階の床梁(たとえば、2階床梁と3階床梁)との間に「ハ」の字で配置されたブレースのこと
上階床梁の偏心応力が作用する範囲を「筋交いが座屈する前に降伏させておけば、地震時のエネルギーを十分に吸収可能
筋交いの座屈が起きる前に、梁の中央部(偏心応力が作用する範囲)が降伏すれば、その部分が地震エネルギーを吸収する機構(仕組み)
こんなかんじで問題を解けるよ。
参考
最後に参考にした記事を掲載しておくね~。それでは~。
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