父が他界④~忌引き1週間では足らない現実
父が他界して1ヶ月経とうとしてます。
ほとんどの方は、お通夜→葬儀→火葬→お墓に納骨で、その後はひと段落し、49日の法事に向けてと言う流れでしょう。
ここまでは、葬儀社の方が大体取り計らってくれます。
しかし、課題になるのは死後の事務処理です。
うちの場合、まず遺書がない。
あれだけ、書いとけと言っていたのに、何もない。
親しい士業の方もいない。
そして、墓がないの無い無いづくしの有様です。
会社勤めの方の場合、忌引き休暇を頂けるのが普通ですが、何日ですか?。
親が亡くなった場合、前職では3日。今の会社では土日含めて7日貰えます。
しかし、とても7日間では終わりません。
土日完全週休2日制の方はまだいいでしょう。これが、サービス業になると、平日に休みが取れるとしても、まとまった休みを貰える企業は少ないのではないでしょうか?。
いずれにしても、この7日間は葬儀メインであり、事務処理に割く時間はありませんでした。
親御さんが亡くなった場合の、参考にして頂ければと存じます。
1.遺書がないのが普通かも
資産家の方や、よほど金銭面でしっかりされている親ならば、遺書は事前に書いており、当然の如く、それを通じて弁護士や司法書士の方がついているはずです。
ですが、ほとんどの一般家庭で遺書を書いておく人はいないのではないでしょうか?。書いたとしても、士業の方を通じて書いたのでなければ、実行力が薄くもなってしまいます。
うちは資産という資産がないどころか、ふたを開けてびっくりで、ほとんど貯蓄もないことがわかりました。
死期を悟っていたのか、ある時期から毎月多くのお金を引き出して、何かに使っていたことがわかり、母がかなり前に生前聞いていた貯金が、ほぼない事がわかりました。
私の親世代だと、息子にの結婚資金を貯めている方が多かったようですが、だいぶ前に私は「そんなのいらない」と話してましたので、それ以来2人の生活費に充当していたと思ってました。
そもそも、父が稼いだお金なのですから、借金していない限り、もう年金生活も長いこともあるので、自由に使っていいと私は思ってますが、当の母は大剣幕です。
遺書がない場合は、法律に則っての対応をされるそうです。
でも、資産らしい資産はうちにはないですし、色々と面倒なので、全て母に引き継がせる事にしました。
2.葬儀社が見つからないと始まらない
息を引き取った後に言われる事は、「葬儀社お決まりですか?」でした。
この時点で「無い」となると、何日も病院に置いておくことはできないので、病院のツテで決められてしまうようです。
幸いに、葬儀関係者と縁故の者がいたので、即電話して引き取ってもらえました。
本当に、直ぐに葬儀社の方は来てくれました。
24時間体制なのですね。
そして、葬儀社には冷蔵庫のような霊安室があるのです。
刑事ドラマに出てくるような安置所ではなく、一体一体納められる冷蔵庫のような感じです。
もう何十年も前に祖父母が亡くなった時は、田舎の家だったためか、家に戻ってきて、腹の上に小さな刀(魔除け)をおいて、昼夜寝ずの番を親戚一同していた記憶があります。
田舎だと地域がしっかりしており、墓もあるので、その後の対応は地域みんなで対処するようですね。
今は、郊外一戸建てでも、家に戻ってと言う事はないでしょうし、団地やマンションでは、棺を上げる事が難しい建物もあるので、必然的に葬儀場がそのような場所を用意しているのでしょう。
しかし、霊安室には限りがあるので、満席であれば別の場所と言う具合になります。
3.お通夜も葬儀もしなかった
次にお通夜や葬儀になるのですが、うちはお通夜も葬儀もしませんでした。
1つはお金がないことであり、2つ目は来て下さる方がいないからです。
親戚は皆遠いですし、父のサラリーマン時代の同世代の方は、全員他界しており、地域の方を呼ぶというのもなんですので。
ですので、流れとしては、
一応お別れの日というのがあり、お棺に花や生前の物を入れて、最後のさよならをしました。
但し、葬儀社内の部屋の空き状況によるので、それまで霊安室に何日も冷蔵保存され、この間の料金も発生しました。
次に、葬儀をしないので、火葬場となります。
お坊さんとは、この時にお経をあげて頂きました。
昔は、3・4時間火葬場にいた記憶がありますが、今は1時間ほどでした。
あっという間です。
何十年も前の地方の火葬場のイメージしかなかったのですが、今の火葬場(うちの方だけかも)は、10基くらいエレベータの入り口があるようなイメージで、そこにそれぞれ大きな台車で入れてというものでした。
なんというか表現が悪く、思いつかないのですが、本当に「焼くだけ」といったガスレンジのような印象を受けました。
4.自分は葬儀関係で働くのは無理
祖父母の葬儀の時は、全体の流れのある部分しかうかがい知る事はできませんでしたが、今回は親である身内。
「もうだめだな」と言う病院の時から火葬までの一連を経験しました。
初めてお骨を持って、自宅まで運びもしました。
葬儀社の方は、毎日死体を見ており、都度状態チェックもされているのでしょう。棺に納める方もいるわけです。化粧師という方も、別にいらっしゃるようで、死に化粧をして頂き、空きっぱなしの口も閉じて下さいました。
火葬場の方も、死体を入れる方、お骨を拾ってくださる方もいるわけですが、私には到底毎日そのような事を生業とするのは無理だと悟りました。
以前、葬儀会社の求人に応募した事がありますが、内勤とは言え、止めておいて良かったと感じてます。
5.葬儀には金がかかる
そのような流れで、お通夜も葬儀もしませんでした。
葬儀社選びをする事もなかったのですが、たまたまなのかプラン的に安いところだったようです。
とは言え、金額的には正社員で一般事務職でない限り、月収内で収まる程と思えますので、それなりに金がかかります。
そして、安く済むと思いきや、葬儀に関わる全てが包括されているわけではないので、それ以外にかかる諸費用が別途発生しました。
花代などのオプション
霊安室の日数分の安置費
お坊さんへのお布施
車がなければ交通費
火葬場費
骨壺代
仏壇なければ買わされる
49日の法要費
香典返し代
とこんな具合です。
昔のように、火葬場の方や職員へのお気持ちは不要でした。
今は、市や県の自治体が管理しており、職員や葬儀社の方が対応していることもあり、そのようなチップはコンプライアンス的にも抵触するかと思える時代でもありますしね。
6.墓がない
極めつけは、墓がないと言う事です。
これが長男であれば、実家の墓に入れるのでしょうけど、父は長男ではなく、地方の戦前生まれでもあることから、家長ではないので、いわゆる分家扱いの身分です。
しかも実家から遠い場所に住んでもいますので、本家の墓に入るとなると、我々行けなくなります。
まあ、生前買っておけば良かったのでしょうけど、家を購入するのが精いっぱいでもあったのでしょうし、何も考えてない性格でもあったので、仕方がない事です。ちなみに父は公務員でした。
というより、もう我が家は跡がないので、墓を購入するのは意味ないのですよね。
墓を購入しても、永年供養といっても、いずれは墓じまいをする必要があるそうです。
「墓かったら、ずっとではない」ようです。
ですので、墓じまいでまた金が飛ぶので、どうせ最後は散骨か合同墓地に行くことになるのだから、「墓はいらない」という話で進めてますが、兄弟が、首を縦に振らないというか、仕組みがわかってないというかで・・・。
我々定年迎えて、年金暮らしになった時、金はないのですから、「そういうからくりの事まで考えてるの!」と言っているのですが、、、。
全く、気が楽になりません。
7.事務作業が1ヶ月経っても終わらない
人が亡くなると、事務作業が発生します。
一番の物事は、相続です。
これに関しては、弁護士や司法書士に依頼するほかありません。
ですが、身近にいなければ、かなり面倒になるでしょうね。
悪徳士業もいるわけですから、資産家の方が下手に懇意でない人に頼むと・・・と私は感じます。
また、依頼する以上、ここでもお金が発生しますね。
次に、役所への連絡と年金の処理。
これが、兎に角面倒で、最も時間がかかります。
これも弁護士や司法書士の方がいれば、お願いはできるでしょうけど、近くの方でなければ、「あの書類を用意してくれ、この書類ではない」と言った感じで、結局自分で出向いて戸籍やらなんやら買う時間が必要になります。
これ、動くのが辛い年齢だと、本当に辛い作業のようですよ。
民生委員の方にお願いする事になるでしょうけど、最近は私は聞きませんが、以前は民生委員の犯罪を何度か耳にしたこともあるので。
ちなみに、うちは私と兄弟、そして母連れて、5往復はしました。
提出する書類が、一回で全てくるわけではなく、こちらも何を用意するのか、特に戸籍は種類が幾つもあり、よくわからないまま何度も足を運ぶ羽目になりました。
幸いだったのは、市役所の中に税務署の分署だかがあって、本来税務署に出向いて発行していただく書類を、その場で受け取れたくらいでした。
職員もね、良い人ばかりでしたが、最近はパートの方も公共機関で働いている事も有れば、年齢が私より少し上なのに、「お役所仕事しかできない」人が1人、ある窓口におり喧嘩になりました。
そして、口座の処理に税金処理です。
年金処理もそうですが、書類の書き方がよくわからず、必要文書もあれこれ今は必要になって、かなり厳しくなっているようです。
保険は、入ってない人が多い世代でもあったようであり、共済保険に定年後に加入したようですが、どこも80歳くらいまでの保証のようですから、保険金は1円も入ってきませんでした。
私の場合は、すでに年金暮らしの親でしたので、上記の事柄で済むのですが、現役世代の場合、離婚されている状態、実は隠し子がいたと言った場合、更に行動することになるはずです。
費用は葬儀だけではないのです。
それと、これらを行うのに「会社、休めますか??」。
幸いに、今の会社では、完全在宅で実家近くに住んでますので、昼休みを利用して動いてます。
有休や途中外出も認めてくれてます。
でも、そんな会社ほとんどないのではないでしょうか?。
8.結局赤字になった
親がどこかの取締役だったり、生前弔問客として来て下さる「多くの方」が存命中であれば、プラマイ0となるのでしょうけど、そういう親ではなく、来てくださる人は、一部の親戚(親の兄弟姉妹やいとこですら、認知症になっている世代でもありますし、遠いですから)だけですので、完全な赤字です。
父の貯金も、蓋を開ければほぼなく、保険金もすでに終了扱い。
後年、入退院を繰り返していた事もあり、その入院費や、これにかかる費用もばかにならなかったようです。
医療費10万以上で戻っては来ますが、補填するだけの金額にはなりません。
母の貯金と言っても年金暮らしですので、兄弟とともに我々の貯金からの支出となりました。
丸々1か月の月給なくなりました。
私含めて兄弟は、賞与のない企業勤めなので、冬の賞与を期待することはできずです。
ちなみに、恐らくですがほとんどの自治体では、葬儀代として数万円支給されるようです。
勿論申請しないと貰えません。死亡届は、葬儀社の方が即出してくれるケースもありますが、戸籍を除籍しに行ったりする必要は家族にある為、窓口で相談すれば話を色々と進めてくれます。
保険もね、共済組合の保険は、大体80~85歳までしか死亡保険はおりません。この年齢以前に亡くなれば、かなり葬式にかかる費用は補填どころか黒字になったのですが、それを過ぎて亡くなったので、何も入りません。
長生き化している時代、保険は考える必要有りと、改めて考えさせられてます。
電気代が高騰することになるそうですし、食費もあがる。
今は、売れるものをわずかでもお金に変えてる現状で、遺族年金も大して入ってこないでしょうから、「今まで通りの生活はできないよ」と母には何度も言って聞かせてますが、どうもわかってないようです。
9.49日に向けて
最後に49日に向けてとなります(まだ、事務作業は続きます)。
法事には、親戚を呼ぶことにしました。
皆年金生活者です。
私の従弟達には声はかけてません。かけても良かったのですが、父の法事ですからね。というより叔父叔母達、車で何時間もかけてくるようなので大丈夫かと尋ね、運転は従弟と思ったのですが、自ら運転してくるか電車で、朝6時とかで出てくるのかのようです。
久しく会ってない人もいるので、コロナの時期ではありますが、来て下さることに感謝で、誰も感染しない事を祈ります。
10.最後に
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
もし、親御さんが亡くなられた時の参考にしてくださると助かります。
ご自身が20代、30代としたら、かなり繁忙な時間を1ヶ月は要する事になるでしょうし、親御さんが現役世代ともなれば、尚更だと思います。
現役の旦那さんや奥さんをお持ちの方、定年後でも取締役として働いている親御さんともなると、奥さん旦那さんや長男長女の方は、あれこれ動く事にもなるはずです。
未成年のお子さんをお持ちであれば、会社との両立は厳しくなるでしょう。
頼める人がいれば頼る事です。
ですが、私が感じたのは、核家族化がほとんどであり、家族の形態も様々となっている事から、簡単には頼れない時代になってきていると感じてます。
私も兄弟もいい年で未婚で子がおりません。
母も老年です。幸いに近くに居るので相互扶助できますが、そうでない方の場合、休日だけ動くというのは無理な気がします。