お墓の選び方
一昨年、父を亡くしました。
亡くした事で、色々な面倒ごとと良い学習経験を得ました。
今回は、お墓選びに関して投稿します。
既にお墓がある方は、関わりないと思いますが、墓じまいを考えている方、あるいは子孫が途絶える方にとっては、考える事柄であるかと存じます。
お墓は、今色々な形式が存在します。
海や山に散骨もありますが、ここではそれは省きます。
1.墓探しを始める
父が亡くなってから、墓探しが我が家の課題になりました。
親は二人とも地方からの状況組。
しかも戦争経験者世代でもあり、本家ではない事で、墓には入れませんから、自分らで用意する必要があります。
しかし、父は生前墓を購入しない考えだったようです(訳あって、父とは私は口を利いてませんでしたし、母との夫婦仲も悪く、兄弟もほぼ口をきいてなかったようですが、これは私の兄弟に問題があったとも思います)。
母も無頓着なので、墓の話はせず、自分の兄弟である、つまり、私からみた叔父が家督を握っているので、「入れるかなあ。入れないかなあ」と適当な妄想ばかり言うだけで行動を起こさない人なので、全くその手の話題はありませんでした。
ですので、亡くなってから、探す羽目に。
実際決まるまでの1年間は、自宅に骨壺を置いた状態でした。
話を聞けば、そういう人多いそうです。なので、まあゆっくり探そうと言う事に。
2.墓の種類
というわけで、墓探しを始めてから決めるまで、色々と見てきたので、それを下記にまとめてみました。
1)檀家としてのお墓(従来)
これが従来の一般的なお墓だと思います。
檀家にならないと墓を購入できないものです。
檀家なので、維持費やらイベント出席やら、しがらみがあるわけです。
墓の土地代、墓石代と何百万とかかります。
2)市営霊園
格安です。
地元ですと、毎年ある時期に抽選が行われます。
従来の墓もあれば、共同墓地、最近では自然葬エリアも作られて募集してますし、他の自治体では納骨堂もランク分けで幾つかあります。
但し、従来のお墓の形では、石代は別額になりますし、子孫がいなければ、墓じまいをする必要に迫られます。
共同墓地は、共同納骨堂になります。
こちらは、納骨された時点で、お金の支払は無いのが普通です。永代供養されるわけですね。
但し、心象的なものがあります(私にはありました)。
なんというか、ゴミ捨て場と言う印象を感じたのです。
たまたま家族で見学しに行き、帰ろうとした矢先、私服の若い方が7・8名ほど、骨壺を職員さんに手渡していた光景を見たのです。
そのまま職員さんは、倉庫のような納骨堂に、、、、。
捨て子のような感覚も覚えました。
勿論、外には何人も線香をあげられる礼拝堂がありますので、ゴミ捨て場ではないのですが、「なんか、こうもうちょっとなあ」という印象でした。
3)葬儀会社・墓石業者がお寺の敷地を借りての墓
最近、これが多いですね。
仕組みとしては、お寺の敷地の有効活用として、葬儀関係会社や墓石会社がお寺に営業をして、区画を借りての共同墓地のような運営形態なのでしょう。
お寺が依頼するケースもあるでしょうけど、この手のお墓は、お寺の方が出て、我々買い手と話す事がなく、その葬儀会社や墓石会社の社員がするからです。
墓を買うよりは安いです。
勿論ランクがあります。
共同形式と言っても、自然葬もあれば、お墓の団地のような形式と、様々です。
手前と奥とで価格が違うとかもあります。
檀家にはならないので、余計なイベント出席はないですが、運営会社からのイベントや、やたらなオプション営業はあったりするでしょう。
また、石代が別途かかるというところもあるので注意が必要です。
檀家ではありませんので、お寺の方が毎日何かをしてくれることは、期待しない方が良いですし、運営会社もその場に毎日常駐しているわけではないので、本当にほったらかしであると言えるでしょう。
また、宗派無関係の所もあれば、関係ありと言う所もあります。
宗派によっては、あの政党と関係するような宗派は、迷惑とも取れる電話が着たりもして勧誘されるかもしれません。
4)葬儀会社・墓石業者が経営する墓地
3)と被るかと思われるでしょうが、お寺は関係なく、葬儀会社や墓石業者、あるいは組合的な集団組織が、墓地霊園を管理している形態です。
こちらは、完全にお寺とは接点ないとも言えるでしょう。
ですので、墓前でお経となると、個人単位か業者が手配したお坊さんを呼ぶという手間が発生すると思います。
また、墓地霊園に社員の詰め所がないとなれば、管理は毎日されてないか、定時できて管理すると言う事になるかと思います。
こちらは、価格は千差万別です。
5)村や町の共同墓地
市営霊園と同じかと思いますが、役所が管理しているというより、地区の自治組合が管理していると思われます。
あるいは、近くのお寺が管理してくれるかと。
要は、その地区内で管理しているので、入れる人は地区内という限定になりえるかと。
そういうところだと、お寺や自治会などが掃除を持ち回りでしてくれたり、地元ですから色々と掃除当番やらなんやらあるでしょうが、まあ一安心ではないでしょうか?。
但し、勿論子孫がいなくなれば、墓じまいをする必要性は出てくるでしょうね。
無縁仏エリアにお骨を移動させられるのかもしれませんし。
うちの親二人とも、村レベルの地域出身なので、そういう霊園が近くにあります。
誰が管理しているのかは存じません。多分、皆でしているのだろうなあと。
6)納骨堂
うちは、これに決めました。
親は実家に墓を持てない事、継ぐ者がもう居ない事です。
よって、墓土地と墓石を買ってというのは、無駄になりますし、そもそもお金がありません(我々の生活費が怪しくなります)。
これが、前提要因ですが、半径10Km以内に数多くの納骨堂があり、たまたま近くの納骨堂が価格的にもフォロー的にも良かったので決めました。
お墓ですが、話しを聞くと、故人の遺志がない限りは、近くが良いようです。
納骨堂ごとに形式は異なります。
自動倉庫型の納骨堂もあります。これは従来の墓を購入するのと変わらず高いです。
タンス式が普通で、1人用から6人用とある所もあります。
1段目から6段目とか、高さによっても価格が異なります。
納骨堂は室内が大半です。
また、納めて終わりという所もありますし、共同のもあるので、即他のお骨と一緒にというのもあります。
ですので、納骨堂と言っても、様々な形式があるわけです。
納めた納骨堂では、即共同の場合は10万のみ。他はかからず永年です。
それ以外はタンス形式で、契約期間を過ぎると共同の場所に納められます。ですので、その間は、お骨が個別に骨壺に入れられて管理してくれているので、そこでお参りができます。
共同の場所は、電車に乗っていく必要がある本堂とでもいえばいいのでしょうか?、納骨堂にはないので、契約過ぎてのお参りとなると不便ではありますが、その頃には我々も動けなくなるし、誰もお参りにこれなくなるので、丁度良いのです。
かつ、お借りした納骨堂は、お坊さんが常駐している企業形態化されたところで、毎朝命日の方は戒名を挙げてお経を読んでくださるので、先日の命日に予約なしでお伺いさせて頂きました。
中には、そういった仕組みがない所もありはします。
諸々含めて、かなり安かった事、近場であったこと、宗派は混在ですが、元々父親の宗派が起源のお寺との事で決めました。
7)自然葬
これ、20年くらい前から始まってますよね。もっと前かな?。
都内で始めたのか、お一人様の応募が当初から多かったとか。
これもありですね。
樹木の周りに散骨というのもあれば、納骨する穴が幾つか空いているので、骨壺ごと入れてと言う形式もあります。ただ中には、専用の骨壺に入れ替えて納骨というのもありますので、全価格は確認する必要があります。
これも、ほぼ宗派無関係で、永代供養ですので、従来の墓買うより安く済むはずですが、中には結構な額のもあるので注意です。
3.最後に
お墓もある意味、家を買うのと同じ感覚かと思います。
だからこそ、安易に求めない人が多いでしょうし、生前から(うちの父は違ってましたが)家の墓に入れなければ、どうするか考える方もいると思います。
とは言え、今や子供に迷惑をかけたくないという理由で、墓じまいをして、永久供養のお墓に入られる方もいるそうです。
地方であれば、子供達が帰ってこずという理由もあるでしょう。
人それぞれ考えは異なりますし、置かれている環境も異なりますので、一概に昔ながらの墓に入らねばならない(うちの父は地方の次男でしたので、何も遺産を貰えず、当然地元の墓に入る余裕というかそういう文化でもなかったので入れなかった)と言う事が当たり前ではありません。
年末年始に、少しこれからの事を考えるには良い機会かもしれません。