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月と日を編む…2020.11.12

朝は駅の改札前にあるコンビニに寄りたい。
何か目的があって寄る…という訳ではなく、大体は人の波に呑まれてだし、ふらっと店内を回って出るだけで、邪魔よね、ごめんなさいね、という気持ちを片手に店を後にしている。

今日は何か違った。「昨日はポッキーの日だったなぁ」と過ぎたことが急に恋しくなって箱を手に取り、ついでに東京新聞が目に止まった。


私は今までの"何となくの習慣"から"それ"になることが多い。実家が朝日新聞ってだけで、特にこだわりは無いし、おにぎりは梅…みたいな感覚だろう。今日はたまたま東京新聞に呼ばれたのだ。

どの新聞も代わり映えはなく、今日も巷で流行りのバイ菌の話し。あとはがん治療の進歩(これには驚いた)。3.11(この表現好きじゃないけど略化のために…)後の牛農家さんのコラム…
毎日宇宙ゴミが1トン、地球に降り注がれています、という記事を見て"へぇ…1トンかぁ"と思ったけど。いや、されど1トンなのだ…チリツモだよ。恐ろしいね。

ぐるっと一読して最後に目を通したは先は"洗筆"。朝日でいうところの"天声人語"

"初音"について…。
ここで言う"初音"はかわいい方ではなく、気象庁が植物の開花や鳥の初鳴きなどで季節の移ろいをとらえる「生物季節観測」…ニュースで"〇〇が開花しました"とか"〇〇の鳴き声が〜…"とか。自然の声の事を"初音"と言うらしい。
その初音の観測種数が、来年からウグイスを筆頭にぐんと減ってしまうというのだから…読み終わった後、何色にも混ざった"寂しい"が私の心に塗られた。(気になる人は11/12の洗筆を読んで)

何故新聞を読むのかという問いに"TVだと人の声で読み上げられるから嫌"みたいなニュアンスで答えてしまったが、根底はどこか別のとこにあるなと感じていて、"それ"は洗筆を読んで形になった。

辞書は紙がいいし、本も読むなら紙がいい…
話すなら年上がいいという気持ちも、昔からの言葉だったり仕草を知れるし、そこに愛おしいさを感じるから。
勿論、新しいものも好き…を前提にだけれど、ここ何年か、昔からの伝統に似た"居場所"に変化があることを感じていてほんの少し"寂しさ"を憶えているのだ…。儚いねぇ。

毎年同じ日にポッキーを食べたくなり、シェアしたくなって仲間と食べる。この味に変化があるとしたら、美味しいの連鎖が故の変化だろうな。
…どう足掻いても時間は進むのだ。
深く考える事は今はまだないけど「昔はウグイスがね…」とか「宿木の下でキスをしてね…」なんて話しをする時が来たら、おとぎ話しを繋ぐ様な心で"時間"を見つめようと決めた。
そして時が来たら愛を両手に、美しく"過去"を後にしたい。

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