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月と日を編む…2020.12.5
念願であった、幼なじみの出演するクラシックコンサートを観劇した話し。
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小学生の頃は同じように時間を過ごし、時間を共有していた友人が気付けば立派なピアニストになっている。私も同じ様に音楽と出会い23年が経ったのに、才能は歴然だ。
私がここで感想を述べなくとも実力があるし、既に開花している。歴も素晴らしく、ピアニストとして誰もが憧れる…素敵な人になった。
きっとこれからの音楽界に爪痕を着実に残すだろうし、何にせよまだ若い。
彼はラヴェルの"左手のための協奏曲"を弾いた。ピアノの後ろにはオーケストラがいて、空間に描かれた音色が美しい。この曲は名の通り、最後まで左手でしか演奏されない。
あえて彼にこの曲を弾かせたのであろう。左手だけで演奏されているとは思えない圧倒的な技術と音の表情は唯一無二で、誰しもが驚かずにはいられなかった。(この曲をまだ聴いた事がなければ原曲を聴いて欲しい。)
ラヴェルの曲自体かなり難しく繊細なのに、この曲のおかげで彼の才能をシッカリと引き出してしまっている。ラヴェルもさぞ悔しがっているだろうな。
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ふと"執筆"と"作曲"は似ているなと演奏を聴きながら思った。勿論指揮者によってもテンポは変わるし、ニュアンスも全然違う。だけどその作曲家の雰囲気だったりカラーはやはり旋律に出ているし、そういった部分は"執筆"に似ている。
私は読むことが苦手で、それだから文を書いても似たり寄ったりになっている。とはいえそれも個性なのだろう。文を書くなんて誰の為でもないが"表現すること"は辞めたくない。人生と同じで"完成"は無く、修行は終わらない。その為にももっと知りたいと純粋に思っている。
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想像とはとても美しい。
彼が自らの手で人生を演奏していく様に、私は私なりに自身のキャンバスに"音色"を重ねたい。まだまだ若いならその言葉に甘えよう。
きっとこれからだって何にでもなれるし、善い物語になるのだから…。