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海月

私は最近、やけに元彼を思い出す。

それは11ヶ月前に別れた彼。


私の憧れであり、大好きなバンド。
''ちゃくら''を初めて教えた特別な彼。

当時の私は、自分の好きな音楽を
自分から周りに発信することがなくて。

自分の中で閉まっておきたいって気持ちが強くて、
誰にも教えずに、1人寂しく音楽に浸かっていた。

でもそのこだわりすらなくしてしまうほど
彼のことが大好きで、依存していた。


彼には私が心揺さぶられるもの、
音楽、全て知ってほしくて。

自分を知ってほしくて、
理解してほしくてたまらなかった。

そんな彼を、夜になると思い出してしまう。


壁や天井を眺めていると 色んな気持ちが浮かんで、

私はこのベッドの上で何度泣いただろう。
その分何度笑顔にしてもらっただろう。

幸せだと、寂しいと、虚しいと、苦しいと、何度感じただろう。

そんな事を冷静な頭で考えてしまう。



彼は夜空を見るのが好きだった。

友達と遊んでいる時
普段は連絡なんてよこさないくせに、
今日流れ星見える堤防に行って、流れ星見たよ
今日連れてきたかったなー。 とか

寝る前のベッドから空を見て、
雲ひとつないから星がよく見える!見て! とか
よく私に教えてくれた。




初めて彼に教えた「海月」




彼に「海月」を教えてから

私に教えてくれる空の情報のほとんどが月になった


今日は月が近い 光が強い 赤い 綺麗な三日月 半月 満月

それから彼が泊まりにくると
部屋の中で二人、天井や空を見ながら 音楽を共有した。


「海月」を聞きながら


安直に、水族館行きたいねって話したり

ゆらゆら揺れる月の光線って歌詞を聞くと
海行きたくなるね、今からいっちゃう?って
夜中にドライブしに行ったり


私はその度に、ちゃんと「海月」を
耳にしてくれているんだなと 嬉しい気持ちになった



この部屋も、「海月」にも、思い出が詰まっている。

もう未練なんかないはずなのに涙が出てしまう。

今日もまた、浸って、苦しんで、
この世界に置いていかれてるような気分になる。

だから、また、ちゃくらの音楽に、言葉に、救ってもらうんだ。




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