フジロック’20片っ端から知ってみよう001【Yumi Zouma】
2020.03.22
2020年3月17日、FUJI ROCK FESTIVAL’20の出演者第一弾が発表されました。私は2017年に一度だけ、友人たちに便乗して苗場に足を運んだことがあるのですが(そのときはとにかくオザケンとビョークが観られたら満足だった)そのラインナップを見て、あらためて色んな国から、かの有名なバンドからまだ存じ上げないアーティストまでたくさん出演されるのだなと。知らないとか言ってないで、知った気にもなってないで、出演者のこと片っ端から調べて、知って、世界の音楽のこと、フジロックのこと、音楽やフジロックを好きな人たちのことをもっとよく知って、音楽を愛そう、世界を愛そうと思った次第です。
実際8月に苗場に行くのかは特に決めていませんが、こういう苦しくて思うように動けない日々の中で、せめて開催を願いながら音楽への熱を絶やさないように。
とっても遠回りで、特に何かの役に立つようなことでもないとは思いますが、私なりに紡いでいきたいと思います。
第一回目は、第一弾発表33組の一番最後から、Yumi Zouma。
Yumi Zouma、その文字の並びを見て「もしかして日本に関係があるのでは?」ということも頭をよぎりつつ。
その実、ニュージーランド / クライストチャーチ出身のエレクトロ・ポップバンド。ニュージーランドの、とは言ったものの、メンバーはそれぞれ離れて生活をしていて、ジョシュ・バージェス(Gt / Ba / Vo / Key)はニューヨーク、チャーリー・ライダー(Gt / Ba / Key)はロンドン、(Gt / Ba / Vo / Key)オリビア・カンピオン(Dr)はウェリントン、そしてクリスティー・シンプソン(Vo / Key)はバンドの始まりであるクライストチャーチと、4人は相当な距離でバンドを保っていて、そのことが音楽的テーマにも反映されているユニット。ちなみにウェリントンとクライストチャーチも、東京と京都ぐらい離れているんだ。ふぅむ。
バンド名の由来は、バンド創生に深く関わりのある友人2人の名前なんだそう。YumiさんとZoumaさん……。2014年にNY拠点のインディー・レーベルCascineから2枚のEPを出し、2016年に『Yoncalla』でアルバム・デビュー。北米や欧州をツアーでまわり、来日もしています。2017年には2ndアルバム『Willowbank』をリリース。そして先日、Of MontrealやDeerhoof、American Football、そしてトクマルシューゴも所属しているアメリカのポリヴァイナル・レコーズから3rdアルバム『Truth Or Consequences』をリリースしました。
テクノロジーが今まで叶わなかった夢をクッキリと形づくっていくとき、人間にできるのは数値で切り落とされてしまうような小さな声とか(これは物理的なものだけに限らず)いまだうまくカテゴライズできない曖昧なものをすくい上げることなのかなとか。囁き、ため息、内緒話、独り言、そんなものを表現するような繊細な歌声が、優しくもキッパリと世界を切り取るエレクトロと共存している、Yumi Zoumaのリアルを、『Truth Or Consequences』の楽曲たちから感じました。
ニュージーランドと日本は、海を周縁に持って孤立している、という意味では似ているところがあるのかもしれませんね。その輪郭に抗う(というか疑問を持つ?)人肌の揺らぎ、みたいなものが魅力的な音楽だなと思いました。ニュージーランドのこともYumi Zoumaのことも、もう少し知りたいな。
今日はこのあたりで。次回はThe XXのROMY。
参考:
Yumi Zouma https://www.yumizouma.com/
MYNorthwest https://mynorthwest.com/330259/interview-new-music-yumi-zouma/