町にこうした風景のあることの贅沢さ(2)
いざ!酒蔵見学 ~ 晴雲酒造さん~
前回の続きで、実際の酒蔵見学の様子をご紹介しますね。
晴雲さんの酒造り工程は以下の流れ。
①精米→②洗米→③浸漬→④和釜蒸し→⑤酒母・本仕込・発酵→⑥圧搾→⑦新酒のろ過→⑧火入れ→⑨調合・加水→⑩火入殺菌→⑪瓶詰・ラベル貼→完成
【今回の見学ルート】
旧仕込蔵 ▶ 精米所 ▶ 仕込蔵 ▶ 販売所
酒造りの「米」を知る!
精米所は①精米加工を行っています。
県内でも自社で精米機を持っているところは数えるくらいだそうです。
ここで、『酒造好適米』と呼ばれる酒造りにしか使わないお米、地元比企地域産のお米をを磨いていきます。
※酒造好適米として有名な銘柄は山田錦、五百万石、美山錦など ← これを知っているだけで「のんべぇ」(笑)
晴雲酒造さんは、30年近く、小川産のお米を使ったお酒造りもしています。
なんで普通のお米じゃないの?
酒造適合米というのは、粒が大きくて、たんぱく質や脂質の含有量が低いことで良い米麹を造りやすいお米のこと。県内でも生産されていますよ!
お米のまわりにあるたんぱく質や脂質は、お酒にするとエグミにつながってしまうので少ない方がいいとのことです…なるほどなるほど。
(過去に酒屋でバイトして時に質問したことを思い出した…「食べられるけど、糖質とか少ないからやっぱりササニシキとかコシヒカリの美味しいよ」と言われた)
この磨き具合(精米歩合)によって、吟醸や大吟醸用の区別がされていきます。吟醸、大吟醸って言葉は聞いたことあるでしょっ!
では、磨かれて取り除かれた部分は?
▶ そう、それが「米ぬか」です。
この「米ぬか」も精米具合によって、色も量も違ってきますが、ちゃんと利用されています。
小川町は有機農業が50年も前から行われ、盛んな地域。
米ぬかで外側から取られた赤糠といわれる「ぬか」は、地元農家さんが有機農業用の肥料として買っていき、使用されています。
なんて!サスティナブルなんだ。循環されている。
このあたりを実物を見ながら解説してくれます。
ではでは?精米歩合はどんな基準で判断するの?
↑ 教えてもらっちゃいました!
この質問すると「酒通」に思われますので、ぜひ見学の際に質問してみて(笑)
冬から始まる酒造り
精米が終わると、仕込蔵に移されて、②洗米→③一晩浸漬→翌日④甑(こしき)に敷かれ、蒸されます。
前回書いた通り、晴雲さんでは、昔ながらに大きな和釜で蒸し上げます。
(仕込蔵に入った瞬間、甘く爽やかな香りが漂ってきます)
粗熱を取られたお米は、二手に分かれます。
ひとつは酒母にされ、もうひとつは、仕込用麹になります。
【酒母+仕込用麹+仕込水】をあわせて本仕込に入るそうです。
醪(もろみ)といわれる発酵をしていくそうです。
普通のお酒で約20日、大吟醸では約35日も発酵させていくそうです。
こうした解説を聞くだけでも、自然の力を活かした製法を誰がそんなこと気付いたの?と感心させられてしまうのです…
発酵後に醪(もろみ)は搾り機で⑥圧搾されて、「酒」と「酒粕」に分けられます。この状態が『生酒』といわれるもの。
さてさて、⑥圧搾ってどうされていると思います?
濡れた布をねじって絞るようなイメージかと思うでしょう?
なんと、空気の圧力で搾るそうです。(へぇ~!!!)
その後、⑦新酒のろ過→⑧火入れ→⑨調合・加水→⑩火入殺菌→⑪瓶詰・ラベル貼→完成という流れで、皆さんの手元に届いていきます。
いかがでした?
モノづくりにはいくつもの工程がありますが、酒造りも同様に職人さんや社員の方たちが手間暇かけておいしいお酒を造ってくださっているんですね。
蔵見学をさせてもらって、目の前でどんな作業が行われているかがリアルにわかり、驚き!気付き!発見!がたくさんありました。おもろっ!!!
最後は・・・ちょっと試飲。今までの試飲と味わいが変わってきました。
「あっ!おいしっ(笑)」これで僕も上級のんべぇ!
見学のご案内をしてくださった蔵元の中山さん、豊田さん、ありがとうございました。
お酒が飲めない方でも、楽しめる要素は盛りだくさん!
お酒が飲めない方も工程や酒造りが自然との共生の中で出来ていることの気づきや発見、100年以上の歴史と風情のある蔵など観て楽しめる魅力はたくさんありますので、小川町(もちろん埼玉県比企郡のね)にお越しの際は、酒蔵見学を楽しんでみてください。
お酒の飲める「のんべぇ」の方は思う存分、呑んで楽しんじゃって!
また晴雲酒造さんには、地元野菜と仕込水で作られる料理の食事処「玉井屋」さんも併設されているので、お食事も楽しんでみてください。
晴雲酒造さんの酒蔵見学についてはこちら▼
晴雲酒造さん公式WEBサイト
※記事は見学や体験に基づき、協力隊である僕の主観で書いていますので、ご了承ください。