スキャンダル
毎日いろいろなニュースを目にする。
大きなニュースがない日は、穏やかそうな、小さなニュースを少しずつ。
大きなニュースがあった日は、刺激的に、より一層大きく延々と。
テレビで見るあの人は、私の事を知らない。
それと同時に、私もあの人の事をテレビ越しでしか知らない。
本当の声も、感情も触れる事は出来ない。
誰かと恋に落ちることも許されなかったり、目の当たりにした世界の事をありのままに伝えただけなのに批判されたり、その人の一挙手一投足に小さな針が落とされていく。
自分自身が商品であるからなのか?
誰かと契約をしているからなのか?
商品である以上は決められたイメージを守らなければならない。
世間の誰かが裏切られたというならば、それはきっと嘘だろう。それは、きっと独りよがりだ。
世間の誰かの事をテレビの中の人は知らない。
知らない人が知らない人を批判する。
知らない真実と嘘のニュース。
目にうつる全てのことはメッセージ
窓の向こうから誰かの口笛が聞こえてきた。