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電動雲台MP-101をモバイルバッテリーで動かしてみた
知る人ぞ知る電動でカメラのパン・チルトができるBescorの電動雲台「MP-101」。
10年以上前から存在する機材なのですが、今さらながらこのMP‐101を使いこなせるように勉強中です。
今回はMP‐101をモバイルバッテリーで駆動させてみたというお話です。
本来、MP‐101を動かすにはACアダプターをコンセントにつなぐか、単三電池を4本入れるか、という2つ方法があります。
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個人的にはバッテリーで駆動させた方が設置にかかる時間を短縮できますし、移動の必要が出た際も対応しやすいので何かと便利だと思っています。
ただ単三電池で動かそうと思うと4本必要なので、予備を含めると最低8本は準備したいです。そうなるとちょっと管理が面倒ですよね。
そこでモバイルバッテリーで運用する案なのですが、USBをつなぐ箇所がMP‐101にはないので、少し工夫が必要になります。
世の中には便利なものがあるんですね。USBとDCプラグのケーブルというものがAmazonにありました。
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ちなみに、MP‐101のDCジャックは外径5.5mm、内径2.1mm、センタープラスとなっております。
径が合っていてもジャックの長さが足りない場合もあるそうで、そんな時はカッター等で被膜を必要分カットするという工作が必要になります。
今回購入したものはジャックの長さは問題ありませんでしたが、径がわずかに太いのか、入れると若干抜きにくかったです。
というわけで、モバイルバッテリーとUSB→DCのケーブルを使って、電動雲台MP‐101を運用してみたところ、無事に作動し問題なく使うことができました。
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ただし、本来は6V(ボルト)のところをモバイルバッテリーの5Vで駆動させているので、若干ですがパン・チルトのスピードが遅くなります。
(余談ですが単三電池で駆動させた場合も少し遅くなるそうです)
そして、モバイルバッテリーで運用するもう1つの利点として、HDMI→SDIのコンバーターの電源と共有できる点があります。
電動雲台を使用する際は近くに置いてもあまり意味がないので、基本的には離れた場所に設置することが多いと思います。
そうなると、カメラからの映像の伝送も長距離になるので、HDMIからSDIに変換する必要が出てきます。
HDMIは規格上5mくらいがケーブルの長さの上限とされていますが、SDIを使うことで50mや100mといった距離でも引き延ばすことが可能になります。
ただし、業務用カメラならSDI用の端子が備わっていますが、普通のカメラにはHDMIしか付いていないので、
HDMIをSDIに変換するコンバーターも用意する必要があります。このコンバーターの電源をMP‐101と共用することができます。
Blackmagic Design(ブラックマジックデザイン)のコンバーター「Micro Converter HDMI to SDI 3G」はモバイルバッテリーで駆動できます。
出力が2口あるモバイルバッテリーを使用すれば1つの電源で電動雲台とコンバーターを使うことができます。
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シンプルに構成できた方が管理の負担が減るのでこれはありがたいです。
さらに、カメラもバッテリーで駆動できれば、電源を引っ張ってくる必要がなくなり、設営の簡略化や設置の自由度UPにつながります。
その代わり、2系統を供給すれば電力消費量は増えるでしょうから、どれくらいの容量が必要になるのか気になるところです。
試しにやってみた時はモバイルバッテリー(10000mAh)の液晶には10時間以上も電源供給できるという表示が出ました。
実際に現場で使ってみるとまた違う結果が出るかもしれません。また検証してみたいと思います。
というわけで、電動雲台MP‐101をモバイルバッテリーで運用してみたというお話でした。
今回の記事はMP‐101のリモコン等を発売されているProject92.comさんのページを拝見していたときに、
「USB→DCコネクタのケーブルを使用してACアダプタの代わりとするすることも可能」という一文を見つけたのがきっかけです。貴重な情報ありがとうございます。
滋賀県で映像制作やライブ配信などをしております。良ければホームページも見ていってください。