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半吉くん(おドジな彼)と私②

私の彼:半吉くんシリーズ第二弾です。ちょっとおドジな半吉くん。第一弾:半吉くんとの出会いは下記です。あわせて読んで頂けると嬉しいです。

第二弾は半吉くんと働いた日々を記載します。


半吉くんは携帯に弱い

会社の全体朝礼に参加していた時、半吉くんが向かいの席に座っていた。フリック入力が出来ない半吉くんは、携帯を机に置き、ありえないくらいの連打で思いのたけを打っていた。皆が偉い人の話を真剣に聞いている時、半吉くんは携帯と戦っていた。半吉くんの隣の席の人がそれに気づき、偉い人に見つからないように半吉くんを少し隠し、温かい目で見守っていたのも忘れ難い。

またある時は電話がかかってきた。私は総務でもあったので、社員から困りごとの相談電話は多い。半吉くんはその日も携帯と戦っていた。SNSでメッセージを送ろうとすると、自分だけ複数人宛てにメッセージが送れないんです、、と困り果てていた。私はアプリを最新のものに更新するように伝えると、後から「いけました!」と嬉しそうな感謝のメールが届いた。半吉くんの喜ぶ顔が浮かぶ。

半吉くんは営業マンなので、社内広報の人から客先での製品納品後の写真を要求されることもあった。導入事例としてホームページに写真を載せるのだ。半吉くんは指示に従い、自分のお客様のもとへ行き写真を撮影。そのすべての写真に反射した半吉くん自身が映り込んでいた。1枚も余すことなく、全部にだ。半吉くんは慣れない携帯のカメラに必死なのだ。その写真を見た広報は、思わず笑った。

ウロウロする半吉くん

地方にある自社工場での展示会。準備(掃除)のため半吉くんは前入りした。でも慣れない他の拠点で、何をしたらいいかわからず、雑巾を持って工場内をウロウロ。ウロウロ・ニコニコしていたところを私の同僚に目撃されていた。

展示会の当日もウロウロ。ティッシュで汗を拭き、使い終わったティッシュを自身のスーツのポケットに詰め詰め。きっとこの後はゴミ箱を探してウロウロしたことだろう。

自称ヤバいやつ、半吉くん

私は業務で社員の資格管理もしていた。その資格を持っている人は少なく、半吉くんには早めに更新講習に行って欲しかった。資格団体のホームページに今年の講習日程が出ていたので、私は半吉くんと日程を相談して、年内最後の講習に申し込んだ。それなのに、いつまで経っても資格証は来ない。半吉くんに問い詰める。半吉くんは暫く黙った後で、「僕はヤバいやつなんです・・・。」と語り始める。なんでも年内最後の講習には行けず、それを資格団体に相談したところ、ホームページの日程表にない臨時講習を設けてくれたとのこと。そしてその講習参加者には、自分の他にもう1人ヤバいやつがいると言う。仲間が出来て嬉しそうだ。クリスマス前後の年の瀬に、2名だけの寂しい講習会。「補習みたい。」と他の人に笑われる半吉くんであった。

展示会の際、ホテルを社員分まとめて予約するのも総務の仕事。参加者と参加日程は営業部がまとめる。その時、大阪から東京へ来る半吉くんは展示会の2日目と3日目に参加するのに、ホテルは不要の記載になっていた。友人宅に泊まる場合もあるだろうから、確認のため半吉くんに電話する。すると、「実は僕、自分でホテル取れるんですっ!!」と何故かカミングアウト方式で「実は」と付けて告白してきた。その一瞬、私はと言うと、ホテルを自分で取れない人って・・・と思いつつも、私は半吉くんが自分でホテルを予約できない人だと決め込み、「嘘だ!」と言った。すると半吉くんは、「じゃらんで見ました!あそこら辺はホテルがあります!!」と力強く返してくる。普段ホテルのない辺境への出張が多い半吉くんは、嬉しそうだった。他の社員が楽天トラベルを使いこなす中、じゃらんを選ぶのが半吉くんらしい。

半吉くんと私③へ続く。読んでくださり、ありがとうございました。次回も一緒に働いていた時のお話です。


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