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夏のまほろ

"昔に戻れたらどうする?"

私には戻りたい日々がある。20歳になる年の夏だ。家族の仲は悪くて家にいないようにすることが多かったけど、その分友達や先生やすきなひとに助けられ、音楽に支えられていた。そしてなにより、アルバイトや授業などを一生懸命頑張ることで色々から目を伏せ、逃げ続けていた。一生懸命頑張ることがすごく楽しくて、そんな自分が好きだった。

今はどうだろう?

なんとなく毎日を過ごし、お金がないなんて考えながらコンビニでアイスやお菓子を買い、私には何もないと今更なことを考え込み、SNSを徘徊、好きなだけゲームをして、YouTubeで時間を潰し、時間が来たら寝る。

あの頃の自分に顔向けできるのだろうか。
あの日の自分に胸張って会いにいけるのだろうか。

「夏のまほろ」は、かつて野球少年だったマナブさんが2019年の甲子園を観ながら、大人になってしまった自分の目線から見た高校球児について書き上げたそう。

あの頃の自分は子供だったと思う。人を平気で傷つけていたし、今ならあんなこと言わないのにと思うことも多い。じゃあ今は大人なのか問われるときっとそういうわけでもない。

大人になりたいわけじゃない。
ただ、もっと良い自分になりたい。

私が卒業文集に書いた、あのロックバンドのように真っ直ぐで一生懸命になりたい、という言葉に今も嘘はつけない。

夢はなくても良い。
好きな人が居なくても、少なくても良い。
周りの人を傷つけた愚かさに気づけたら良い。
気づいたあと、大事にできれば良い。

どう頑張ったってあの夏には戻れない。あの日には戻れないし、あのラインの返信を変えることだって、あの日止めた足を進めることももうできない。

でもそれで良いんだと思う。
だからこそ出会えた人が居て、大事だと思えたものがあって、それらが今の私を作り上げて、温め続けて、歩くことができる。

この曲を初めて聴いた時、本当にわくわくした。爽やかなリズムが朝の涼しい風に乗ってすごく気持ちがよかった。

ハルカミライが居るライブハウスが私はすごく好きだ。真っ直ぐで、自由で、簡単な言葉だからこそ気づくことができる。

彼らがどんな顔でこの歌を鳴らしてくれるのかが今から楽しみで仕方ない。

あの頃の自分に、ハルカミライの4人に、良い顔で会える日を願って、歩んでいきたい。

ハルカミライ
2012年 結成
2016年 THE NINTH APOLLO所属
2017年「センスオブワンダー」にて全国流通を果たす。ライブハウスでの全身全霊のライブ、特有の空気感で全国にファンを増やし、2019年12月には自身最大キャパ幕張メッセでのワンマンライブを成功させる。2020年7月8日アルバム「THE BAND STAR」リリース。

ハルカミライ公式HP

夏のまほろMV

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