神園智也(青山ブックセンター本店)

青山ブックセンター本店 文庫・ビジネス書担当

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ここ数年ちくま文庫から刊行・復刊された昭和の女性作家の作品をプロフィールと一緒にまとめてみた

こんにちは。青山ブックセンター本店 文庫・ビジネス書担当の神園です。 突然ですが、ちくま文庫で昭和の女性作家と言えば、最近だと2020年3月に刊行された『向田邦子ベスト・エッセイ』が16万部を超える大きな反響を呼んだことが記憶に新しいです。自分もこのエッセイが好きで、ここに書かれている向田邦子が愛した表参道の老舗和菓子屋さん「菓匠 菊家」に訪れたことがあります。(青山ブックセンターからとても近いのです…!) ただ、ちくま文庫は向田邦子だけではありません。『ベスト・エッセイ

    • 2024/10/24

      気まぐれで日記を書いてみる。 10月に入り、いろんなことに対して漠然と行き詰まりを感じていた。SNSの更新も滞っている。 でも、この1ヶ月に会った人と交わした会話や読んだ本のおかげで、そのモヤモヤがやっと解消されたような気がする。 今日は、この前熊本に旅行に行った時、橙書店で購入した渡辺京二さんの『無名の人生』をなんとなく手に取って少し読んでみた。 この箇所を読んで、あらためて自分の仕事にしっかりと向き合おうと思った。 ここ最近行き詰まりを感じてから、攻略ルートやマー

      • 霧の中で見た彫刻

        箱根の森の中にあるポーラ美術館に行ってきた。その日は昼過ぎに箱根湯本駅で美術館行きのマイクロバスを待っていると雨が降り始めた。空が晴れているので最初は通り雨かと思ったが、まもなく来たバスに乗って向かっていると、次第に雲が広がり雨はしばらく止まない様子だった。 到着して企画展やコレクション展を堪能していると、あっという間に夕方になり閉館時間が近づいていたので、目当てだったロニ・ホーンの彫刻作品を観るために美術館を出た。その彫刻は周辺の森の中にあるのだ。外は依然として雨が降って

        • ABC文庫日記① 2024.6

          こんにちは。青山ブックセンター本店 文庫・ビジネス書担当の神園です。 今日は休みで6月最終日なので、月1目標のnote更新せねばと思い、仕事頑張るぞ的なnoteを書いてたんですけど、我に返り、(これ何が面白いんだ?)と思ったので、ボツにして、ゆるい日記のようなものを書いてみます。 今、本業とは別で、音楽関係のライティングの仕事をいただき、その締め切りが迫っていて、これを書いてる場合ではないのだが…。 (その仕事については、7月中頃に改めてお知らせします!) 6/2 お世

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          4月振り返り 2024.4

          4月が終わる!早いです。 青山ブックセンター本店 文庫・ビジネス書担当の神園です。 私事ですが明日から熊本・鹿児島に行ってきます。楽しみです。 旅行記を後でまとめてみようかなと思います。 4月は雨が多くて、しかも昨年より土日が一回少なく、中々大変でしたが、上の方から聞くと前年越えているみたいで安心しました。昨年の4月はちょうど村上春樹さん、西加奈子さんの新刊が爆発してたので、それも大きかった。(他店さんもそうでは…?昨年は、村上春樹と何かという、まとめ買い多かった印象。)

          装幀写真とは何か?本を通して知っておきたい日本の写真家50名を紹介

          こんにちは。青山ブックセンター本店 文庫・ビジネス書担当の神園です。 突然ですが、装幀写真とは何か、ご存知でしょうか?まず、「装幀」とは本の外側のデザインのことですが、装幀写真とはその外側の表紙や背表紙に使われる写真のことを指します。 装幀写真はその本の顔であり、デザイン上、非常に重要な役割を果たします。その本の印象を決め、写真を通して本の持つ雰囲気を読者に向けて伝えます。このように本にとって大切な装幀写真ですが、その本のことは知っていても、使われている装幀写真や写真家に

          装幀写真とは何か?本を通して知っておきたい日本の写真家50名を紹介

          この春に入荷する本の話 2024.3

          こんにちは。青山ブックセンター本店 文庫・ビジネス書担当の神園です。 今回は3月を個人的に振り返りながら、4月に入荷する本(といっても自分の担当の文庫に限りますが)の話をしていこうと思います。 今月の初め、行きつけのレコード屋BIG LOVEのオーナー・仲さんに、「店のスタッフというより、独立した視点と立場で、別の軸を持って色んなことをしてみた方が良い(大意)」と言われ、3月は新しく何かをしたいと強く思っていました。 そんな思いで書いたnoteが大きな反響いただき、感謝

          この春に入荷する本の話 2024.3

          朝吹真理子さん『TIMELESS』(新潮社)・柴崎友香さん『百年と一日』(筑摩書房)文庫化記念 「記憶と時間をめぐる小説フェア」 選書の紹介

          こんにちは。青山ブックセンター本店 文庫・ビジネス書担当の神園です。 文庫新刊、朝吹真理子さん『TIMELESS』(新潮社)・柴崎友香さん『百年と一日』(筑摩書房)の刊行を記念して、 お二人の著作と共に「記憶と時間をめぐる小説フェア」の展開を文庫コーナーにて始めました。 朝吹さんと柴崎さんのお二人は以前、「本屋の歩き方」という企画でYouTubeに揃って出演してくださったこともありました。(いつも大変お世話になっております。) さて、今回はこちらのフェアの選書リストを小

          朝吹真理子さん『TIMELESS』(新潮社)・柴崎友香さん『百年と一日』(筑摩書房)文庫化記念 「記憶と時間をめぐる小説フェア」 選書の紹介

          聖地をつくる/発信の温度 2024.2

          2月がもう終わります。個人的には、好きな作家のゆかりの地を巡ったり、久々に映画館に行ったり、『レッド・アロー』(早川書房)という最高の小説を読めたり、展示で絵を買ったりと、楽しい1ヶ月でした。 最近の仕事 さて、ここ最近の青山ブックセンターでの自分の主な仕事を箇条書きで。 ・文庫ではちくま文庫新刊の山内マリコさん『結婚とわたし』刊行記念フェアを開催。  ・海外文学中心の新しいフェアも始め、来月上旬に始める予定のいくつかのフェアの選書も行ないました。 朝吹真理子さん『T

          聖地をつくる/発信の温度 2024.2

          無用な小説 2024.1

          青山ブックセンター本店、文庫・ビジネス書担当の神園です。 今、青山ブックセンター本店が猛烈に推している本。 店長主導で昨年12月末に青山ブックセンター限定で復刊された、木下古栗さん『ポジティヴシンキングの末裔』(早川書房)。 有難いことに、よく売れていて嬉しいです。(自分は特に関わってないですけど。笑) 購入して読んでみたのですが、ひたすらに無意味な話の連続に驚き困惑し圧倒され、久々に刺激的な読書体験を味わいました。 そこで木下古栗さんについて気になってネットを検索し

          文学畑の僕が気づいたら青山ブックセンターのビジネス書担当になっていた話

          こんにちは。青山ブックセンター本店の文庫担当、そして題名の通り、この度ビジネス書担当にもなりました神園です。 「文学畑の僕」とカッコつけて書いてますがウソですので騙されないでください。言ってみたかっただけです。全く詳しくないですし、最近はろくに本も読んでおらず積んでばかりな気が…。 ただ、本を読むなら、文芸関連が多いというだけです。 そんなウソ文学畑の僕は今までビジネス書を読んだことがありませんでした。恥ずかしながら本当に1冊たりとも読んだことがありませんでした。 大学時

          文学畑の僕が気づいたら青山ブックセンターのビジネス書担当になっていた話

          生きづらさを読みほぐす

          皆さま、こんにちは。 青山ブックセンター本店で文庫コーナーを担当している神園です。 いかがお過ごしでしょうか。 ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい 今年一発目のオススメ文庫、大前粟生さんの『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』(河出書房新社)が入荷しました。 『おもろい以外いらんねん』や『きみだからさびしい』、『死んでいる私と、私みたいな人たちの声』など、今注目の小説家・大前粟生さんの初めての文庫です。 とても"やさしい"小説だと思います。登場人物の白城の言葉を借りれば、"

          2022年の文庫を振り返る

          こんにちは。青山ブックセンター本店で文庫を担当している神園です。 今回は2022年の文庫を振り返っていこうと思います。 年間ランキング まずは今年の青山ブックセンター本店の文庫年間ランキングを。 【2022年】 1位 ルシア・ベルリン 岸本佐知子さん 訳『掃除婦のための手引き書』(講談社) 2位 國分功一郎さん『暇と退屈の倫理学』(新潮社) 3位 ドミニク・チェンさん『未来をつくる言葉』(新潮社) 4位 島田潤一郎さん『あしたから出版社』(筑摩書房) 5位 小倉ヒラクさ