エッセイ「言うべきこと」
最後の最後で幸せになればいいけど、ちょっとくらい人生の中で最高があってもいいんじゃないかと思う。神様はじれったい。明日が怖いと思いながらも、純粋な気持ちは色褪せない。今はもう見られないかもしれないが、笑いあった日々もあったんだ。嗚呼、もう泣かないでいいのかな。心の中で何かが壊れる音がする。負けてもいいからと人生が鼓動する。
この言葉が人生を救うなんて思っていないけど、それでも自分に何かできないかと考えている。この随筆を書くことぐらいしか自分はできないから、音楽を聴きながらこれをするしかないんだ。青空に溶けていく夢。遠ざかっていく理想。夢が覚めても何があっても人生は一方通行なんだと。
夏が長い。八月、九月。過ぎてもまだ暑い。言葉では終われないと思いながらも、僕たちは言葉でしか会話することができない。言葉を通じて会話することしかできない。目が覚めてもきっと、テレパシーなんか使えない。表情を変える神様が僕たちを見ていることを僕たちは知らない。
このまま何もなくなって溶けてしまえばいいものを、何の変哲もない運命が鼓動して僕たちを支える。駐車場に寝転んでいる猫がどんなに幸せそうかと思いながら、横目で出勤する日々。ベッドから起き上がれない日も、こうして日は伸びて沈んでいく。
出逢えたことが何よりの幸せだと言っている音楽を横目に、増えていく青春たち。きっとこの世界は永遠で、何事もなかったかのように終わるんだろうな。たった一言でいいから、世界は平和になるよと、もう何もしなくていいよと言ってほしい。僕の言葉が世界に響いて、心の中で何かが変わってほしい。何でもいいから、幸せになりたいと願う。
いいなと思ったら応援しよう!
活動費に充てさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。