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“たら“のはなし #1 「ぽんたら」

先月、道東に住む大学の後輩からお土産として「味付 ぽん鱈(たら)」をもらった。
"ぽん鱈"と聞いて、”稚内市の名物ブランドじゃない?”と思ったが、両者は、少し違っていた。

稚内の「ポンたら」は、平らで柔らかい、しかし、道東の「ぽん鱈」は、内蔵を取り除き、魚の姿そのままを干して乾燥させているので、とても堅いのです。

私の浅い知識だと、確か“ぽんたら“の原魚は、「スケトウダラ」で。。。「マダラ」じゃなくて。。。ぽんたらの“ぽん“は、アイヌ語だったような。。。でも、”ぽんたら”とは、「真鱈の小さいもの」の総称だとも言うし。。。など少し悩ましく思われてきた。

そこで、自分の頭の中を整理する意味でも、少しリサーチしてみることにした。

道東の「味付け ぽん鱈」

お土産でもらった「味付 ぽん鱈」は、北見市の水産会社(株式会社 丸本 本間水産)が製造しているもの。パッケージに書かれている原材料を確認すると“すけそう鱈“(スケトウダラとは書かれていない)と記載されている。そして、食塩、砂糖、唐辛子、調味料という単語もある。これが“味付“の元だろうか?

「味付 ぽん鱈」。北見市のふるさと納税の返礼品としても選ばれている。

食べ方は、干された堅い魚体を手で引き裂くか、金づちや木づちのような道具を使い、身らを柔らかくした後、はがすことになる。少々、食べにくい、というか面倒くさい。また、トースターや電子レンジで軽く温めて食べる方法もあります。

でも、なんとか一口サイズにして小骨に注意しながら口に入れると魚の旨味と塩気(しおけ/エンミという言い方は嫌い)が感じられ、ビールが飲みたくなる。あと引く“味付“。酒飲みが好きなヤツである。

稚内の「ポンたら」

一方、稚内ブランドの「ポンたら」は、稚内市内の食品会社(大東食品株式会社)が製造している。

昔から家庭でも食べられていたし、スナックでも定番のツマミとして出されています。稚内市民なら知らない者はいない超人気商品です(稚内ブランド商品)。

こちらも「スケトウダラ」が使用されているが、商品紹介パンフレットには、漢字で「助宗鱈」と書かれている。このまま素直に読むと“すけそうだら」となる。この呼び名が違うことは、改めて別項で、ご紹介します。

「ポンたら」と「カットポンたら」 1970年(昭和45)より販売。稚内市のふるさと納税の返礼品にも選ばれている。稚内の観光土産にも最適。
写真:大東食品HPより転載

稚内のポンたらは、“助宗鱈“を三枚におろし、少量の塩で味付をして、その後、干して、ローラーをかけて薄く柔らかく仕上げ、食べやすくしたものと同社のホームページに掲載されている。
また、食べやすいように切った「カットポンたら」も販売されています。

この点が道東の「ぽん鱈」と大きく違う点。

おいしい食べ方

両商品ともマヨネーズに醤油、七味もしくは一味を混ぜ合わせたものをつけて食べると更に美味しく食べることができます。

ビールや日本酒で一杯!酒量がすすみます。
写真:稚内ブランド推進協議会HPより転載

私が幼い頃、亡くなった父親は、身からはいだ”ポンたらの皮”を左手に持ち、右手には、100円ライターのチルチルミチルで皮をあぶって食べていた記憶があります。さすがに”ワイルドだろ~!?”とは、言ってませんでしたが、子供心にライターで焼いて食べておいしいのか?という気持ちでした。
当時は、「薪ストーブ」や「石炭ストーブ」の上に乗せて、焦げる煙がでる直前に取って食べていたものです。半世紀以上、前の話ですが。

昭和時代の懐かしいストーブ。「粉炭ストーブ」「泥炭ストーブ」「コークスストーブ」。当時のストーブは、肉を焼くなど現代のオーブンの役目も兼ね備えていた気がします。

身近な「ぽんたら」

最近では、他の業者の商品がコンビニでも販売されています。「すきみたら」「うまみ鱈」「干し鱈ロール」などとバラエティーに富んだ商品名。どれも皮をはいで一口サイズにちぎられています。そして柔らかく塩加減も絶妙です。



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