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渡辺京二「逝きし世の面影」について

幕末・明治初期に日本を訪れた西欧人による膨大な数の訪日記録をテーマごとに紹介し、近代日本が失ったものの意味を問い直した大作。著者には、この他にも戦国時代・江戸初期の外国人(主にキリシタン)との交流を描く「バテレンの世紀」や江戸中期のロシア・アイヌとの交流を描いた「黒船前夜」などがあり、こうした外国人とのコンタクトを通して渡辺史観というか近世日本の文明論にもなっているところが秀逸なのだと感じた。文庫で600頁もあるが文章は平易で読みやすく、当時の日本人の気質や風習など面白いエピソードに溢れている。


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