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バチェラー3と寅さん

今日、大好きな映画「男はつらいよ」の最新作を観に行った。泉(後藤久美子)は、今も、中学生役のときも綺麗だし、改めて見たさくら(倍賞千恵子)も、驚くほどキュートだ。

寅さんは、美人を見るとすぐに惚れてしまう三枚目の役。マドンナ役の吉永小百合と記念写真を撮る時に「はいバター」等とオヤジギャグをかましちゃうあたりが、人によっては、好きと嫌いの境界線だし、リトマス試験紙だと思う。私は「好きになったことをこんな表現でしか表せない不器用さのなんたるか」とキュンキュンする。

最近、Amazonprime「バチェラージャパン」を見た。インフルエンザに珍しく罹り、時間もあって社会勉強がてらだった。あんなにスムーズに女性とハグすると言うのは、例え演出だとわかっていても私には受け入れにくい。バチェラーは、寅さんと設定が逆だ。バチェラーは社会的地位も収入も容姿も完璧。寅さんはテキ屋で貧乏で四角い顔だ。そう思ってシーズン2までみていた。

ただ、シーズン3でバチェラーを務める友永真也さんは別だ。彼に寅さんを見たような気がする。寅さんの実質的最終回が神戸だったのも何かの縁か。彼は、長身で神戸の上流家庭の次男。そんな彼が、バチェラーの掟である「モテ男」と言う設定をすっかり忘れて、ブドウ農家の美女である岩間さんにどんどん惚れていく。プールのシーンでは、薔薇のハイパーインフレを起こしている。

寅さんは、男はつらいよを通じて、非常識な行動の中にも人間味や本音を出すことの幸福さを伝えてくれた。彼が前田吟に「人間、理屈じゃないんだよ」と言ったことが印象に残る。バチェラーも理屈だけなら、「おらおら」していないと番組は成立しないし、最終回で岩間さんに薔薇を渡さなかったのだから、その後に連絡を取るのはルール違反だ。

でもね。人生はエンターテイメント。オヤジの私としては、理屈と感情が交錯する人間味全快な男やシーンに共感してしまうだよね。

映画の挿入歌では、桑田佳祐が寅さんに扮して歌った。観賞後には、私も「男とゆうもの つらいもの 顔で笑って 顔で笑って 腹で泣く 腹で泣く」を歌いながら映画館を出たのでした。

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