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【週末投稿】つれづれ有用植物#270(ヒノキ科ヒノキ属ヒノキ)

山地に生え、人工林として多く植栽されているほか庭木にもされる日本固有種の針葉樹です。本州の福島以南、四国、九州の屋久島まで分布しています。樹高は 15 ~ 30m になります。

葉は鱗(うろこ)状で  柔らかく先端はとがっておらず丸い。近縁種のサワラは葉の先端がとがっています。

【ヒノキの葉】

花期は4月頃です雄花は長さ2 - 3ミリメートルで枝先に1つずつ、全体に数多くついて茶褐色をしています。特に雄花は花粉を大量に撒き散らし、スギと並んで、春の花粉症のツートップとなっています。

果期は10 ~ 11月頃です。

果実は球果で、大きさは直径 8 ~ 12ミリメートルで緑色から赤褐色に熟します。種子を飛ばして冬になっても、赤褐色の果実が枝葉について残っています。

根は菌類と共生し菌根を形成します。
ヒノキが形成する菌根は草本植物や熱帯の樹木に多いといわれるアーバスキューラー根菌と呼ばれます。

ヒノキは林業用として利用されています。
幹から製材される木材は、比較的軟らかく加工性に富むこと、幹が通直で歩留まりが良いこと、腐朽に対する耐性も高いことなど様々な利点を持ちます。

ヒノキ材から香る化学物質はフィトンチッドとも称され、この成分の働きが木材を腐らせず、建築後の建物を長い間守っている効果があります。
特に寺院、神社の建築には必須とされ、古くから重宝されたそうです。

材を切り出した端材の皮の部分は檜皮葺(ひわだぶき)とよばれる屋根材にとして利用されました。さらにその端の部分から箸(割り箸)を作りました。

【香りが素晴らしい、ヒノキ風呂】
【ヒノキ材から作ったワッパ】

揮発性のヒノキオールを含んでよい香りがあり、木肌のぬくもりと芳香が好まれて、ヒノキ材を浴槽にした檜風呂や簀の子も作られています。
幹や葉からとれる精油は  香料、薬用になります。

枝葉を蒸して燻製の香り付として利用されたり、次の動画は中国で何千年も前から受け継がれてきた「国家香」の作り方を紹介している動画になります。恐らく「タイワンヒノキ」と思われます。

The "national incense" cypress seed incense has been passed down for thousands of years.

Posted by Tony Clips on Saturday, December 14, 2024

■ヒノキ(桧・檜)はなぜ世界最高の木材なのか?(26分弱)
湧口善之 都市林業ch 様



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