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【週末投稿】つれづれ有用植物#255(キキョウ科ツリガネニンジン属:ツリガネニンジン)
北海道から九州、琉球諸島に分布するほかに、国外では樺太、千島列島に分布する多年草です。
猛暑が去って秋支度に向かう山野で日当たりの良い所は、ツリガネニンジンの鈴なりの薄紫色の花で彩られます。
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かつてはとてもありふれた野の花で、秋の草原を代表するような存在でしたが、現在はすっかり珍しいものになってしまったようです。
外来植物に覆われたり除草剤をかけられると数が減少し、宅地開発などで土地の様子が大きく変わると、そのまま絶えてしまう傾向があるそうです。
花は8月から10月に咲きます。開花時の草丈は1メートル以上になり、真っすぐに伸びた茎の先に、薄い青紫色の釣鐘のようなかたちの花が下向きに沢山付きます。
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花の色や形などに個体差が出やすく、特に花期以外の時期には葉の形、葉序などが大きく異なるものがあり、分類する時に混乱させられることがたびたびあるそうです。特徴としては直立した茎を折ると白い乳液が出ます。
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花姿が美しく、観賞用に栽培されています。
■ツリガネニンジンー山野草91(4分強)
山野草男 様
春の若い芽は、山菜のトトキとして食用にされ、あくやクセがない淡泊な味わいで素朴な風味で人気があります。イタリア料理やフランス料理用に、にわかに注目されたそうです。
さっと茹でて水にさらしてお浸しにするのが一般的ですが、天ぷらにすると甘く美味しく、他に和え物、サラダ、など様々な料理に利用されます。
■知る人ぞ知る美味な山菜ツリガネニンジンがうますぎて草(15分弱)
野食ハンター茸本朗(たけもとあきら)ch 様
夏の終わり頃に2年以上経った長い紡錘形から円柱形の根を掘り取り、日干ししたものが生薬「沙参(シャジン)」です。
その煎じ液を去痰、鎮咳を目的に服用します。苦みやえぐみがあるので、シャジンの半量ほどの甘草や茶さじ1杯の砂糖を加えると良いとされています。その他、喉の痛みや咳にはうがい薬として用いられます。