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【週末投稿】つれづれ有用植物#253(ワスレグサ科ワスレグサ属:ユウスゲ)

日本では本州、四国、九州の山地の草原や林縁などのやや乾いた場所に生育しますが、東北地方や北海道では海岸近くでも見られます。
背丈は 100~150cm 程になります。

漢字では「夕菅」と表記します。別名「キスゲ」ですがこれがまた誤解を生じています(後述)。

中国などに分布する ウコンカンゾウの日本にのみ分布する変種とされているそうです。

花期は7月から8月頃で、夕方に開花して翌朝にしぼみます。
くっきりしたきれいな レモン色の花で、夜間に活動するスズメガの仲間などが訪花します。花はほのかな甘みと香りがあり食べられます

同じワスレグサ属のノカンゾウやヤブカンゾウも同様に花や蕾が食べられます。

■夕方に咲く可憐なユウスゲ 三重県伊勢市で8万株が見ごろに(1分弱)
CBCニュース【CBCテレビ公式】 様

※この動画では「ユリ科」として分類していますが、最近の APG IV 体系ではワスレグサ科に含める事になりました。

■【ユウスゲ】日暮れとともに咲く夜の花!(4分半)
KRY山口放送ニュース公式チャンネル 様


似ている植物にゼンテイカ(禅庭花)があります(同じワスレグサ属)。
別名はニッコウキスゲ、エゾカンゾウなどとも呼ばれています。
朝開花し夕方閉じる事や、花の色は黄色ではなく橙色である事から判別がつきます。また低地型のムサシノキスゲなどがあり、「XXXキスゲ」と呼ばれている事から「キスゲ(ユウスゲの別名)」と混同してしまう事があります。

【ゼンテイカ】

こちらも食べられ、野生の動物にとっても“おいしい植物”であるため、食害に悩まされているそうです。

ユウスゲは多数の都道府県で、レッドリスト(稀少)の指定を受けており、
千葉県では絶滅したものと考えられているそうです。
海岸開発、道路工事[、草地開発、自然遷移[、園芸採集などが原因で、個体数が減少している地域があるそうです。

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