【週末投稿】つれづれ有用植物#10(キク属:キク科)
キク科の植物は、タンポポなどの野菊も含め、中国から外来で入ってきた植物です。秋には大菊、中菊、小菊、スプレー菊、クッションマムなど多彩な園芸種が江戸時代から創出されています。今回の有用植物としてご紹介するものは、「食用菊」と「除中菊」です。
■食用菊
字のごとく花を食用とする菊です。菊そのものは、古代より中国で延命長寿の花として「菊茶」、「菊花酒」、「漢方薬」があり、飲まれていたそうです。その中でも食用菊は、苦味が少なく花弁を大きく品種改良された種として、奈良時代に「延命楽(もってのほか・カキノモト)」が中国から伝来したそうです。
PinguBanana は「もってのほか(紫花種)」、「阿房宮(黄花種)」の2種を栽培しており、秋に毎週収穫しています。
当地の関東では、10月中旬から12月いっぱいくらいまで、収穫ができます。
もってのほか(紫花種)は、柔らかく多少甘みがありますが、阿房宮(黄花種)は、シャキシャキと触感が良いですが、多少に苦みがあります。それぞれの良さがあり、使い分けると楽しいと思います。
また食用菊には、生体内の解毒物質「グルタチオン」の産生を高めることが発見されており、ガン効果の抑制・コレステロールの低下・中性脂肪を低下させる効果の研究結果が発表されているなど、なかなか健康に良さそうな成分が含まれているようです。抗酸化作能力の高い栄養素を多く含むのでアンチエイジングにも良いと言われています。
加工方法は単に湯がいて「お浸し」にしたり、酢の物や吸い物に添えたりと多彩です。
■除虫菊
正式名称は「シロバナムシヨケギク」と言います。
日本には明治に渡来しています。胚珠の部分にピレスロイド(ピレトリン)を含むため、殺虫剤の原料に使用されています。「KINTYO」さんの蚊取り線香でおなじみの「金鳥の渦巻」きで有名な会社名をご存じですか?「大日本除虫菊株式会社」と言います。創始者の上山英一郎氏がこの除虫菊を使って、渦巻型の蚊取線香を発明したと言われています。
タブの木から得られる「タブ粉」と除虫菊の葉を混ぜて線香は作れます。興味のある方は除虫菊の苗は通販で購入できますから、育てて作る事も可能ですよ。
参考:実践!蚊取り線香の作り方!基本からオリジナルの香りアレンジまで
LOVE GREEN 様
観賞用の菊のうち、花屋さんで売っている品種は種苗法などの制限によって同種の苗が手に入らない事が多いです。でも個人で楽しむ分には、気に入った菊を購入してから葉刺しなどで増やす事ができます。友人に譲ったり販売すると違法になりますのでその点を注意すれば楽しむ事もできますよ。
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