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【週末投稿】つれづれ有用植物#277(ミカン科ミカン属カラタチ)

大きなトゲがあるのが特徴で、柑橘類の中ではもっとも耐寒性が強い品種です。ミカン科では珍しく落葉性低木で、高さは3mを超えることもあります。
一般的に落葉樹として扱われますが、暖地では冬でも葉を落とさず緑を保ちます。

枝は緑色で太く、稜角があり、3cm にもなる大きくて鋭い刺が互生します。葉は互生し、3小葉の複数(3出複葉)で、葉柄に翼があります。
特有の香りがあり、アゲハチョウの幼虫が好んで食べます。

枝には大きな棘があり、アリやハチの毒腺と同じギ酸(蟻酸)を含みます。肌が弱い場合はこれによってかぶれるこがあるので注意が必要です。

花期は 4 ~ 5月で、葉が出る前に3 - 4 cm程の5弁の白い花を咲かせ、芳香があります。

花のあとに、径 3 ~ 4 cm の球形で軟毛に覆われた緑色の果実をつけ、10月頃に黄熟し、葉が落ちた後も枝に残ります。

果実の利用は一般的ではなく、果実酒の材料として使われる程度の様ですが、生薬としても利用されます。
果実を採って、輪切りで天日干しして調製したもので、芳香性の健胃作用、利尿作用、発汗作用、去痰作用があるとされ、未熟果よりも成熟果のほうが作用が穏やかと言われています。

鋭い刺があることから、外敵の侵入を防ぐ目的で生垣によく使われましたが、住宅事情の変化などからこの刺が嫌われ利用されなくなりました。

病気に強いことや、早く結実期に達することなどの利点があるため、柑橘類の台木として日本、韓国、中国のみ(欧米ではダイダイの仲間であるサワーオレンジを多く使用)で利用されてきました。
ただしユズやナツミカンの台木にくらべると、寿命が短いという欠点があります。

■みかんの苗木ができるまで(9分強)
苗木屋てっちゃん 様



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